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ブックマーク / www.kojinkaratani.com (4)

  • 日本精神分析再考(講演)(2008) - 柄谷行人

    今日、私が「日ラカン協会」に招かれたのは、かつて「日精神分析」という論文の中でラカンに言及したからだと思います。そこで私は、ラカンが日について、特に、漢字の訓読みの問題について述べたことを引用しました。今日、それについて話すつもりなのですが、その前に少し経緯を説明させていただきます。「日精神分析」という論文は一九九一年頃に書いたもので、「柄谷行人集第4巻」(岩波書店)に収録されています。これは『日精神分析』(講談社学術文庫)と題するとは別のものです。後者は2002年に書いたもので、この時点では、前に書いたものに嫌気がさした、というようなことを述べています。かつて「日精神分析」を書いたとき、自分は日人論、日文化論を否定するつもりで書いたけど、結局その中に入るものでしかなかった、と。実際、それ以後、私は「日論」について一切書いていません。だから、現在の気分としては、読み返す

  • 『想像ラジオ』と『遊動論』(いとうせいこうと対談) - 柄谷行人

    東日大震災五周年を記念して再掲載:いとうせいこう『想像ラジオ』(河出文庫)と柄谷行人『遊動論―柳田国男』(文春文庫)をめぐって ■新しい柳田論「遊動論」はなぜ書かれたか いとう 柄谷さんの「遊動論――山人と柳田国男」(文學界二〇一三年十月号〜十二月号。二〇一四年一月文春新書より刊行予定)をいち早く読ませていただきました。『トランスクリティーク』『世界史の構造』『哲学の起源』のあと柄谷さんが何をやるのかと思ったら柳田国男だったことに驚いたし、前作までで獲得された視座に立って柳田を読むというのが非常に面白かった。と同時に、現在の日政治的状況を考えると、すごくアクチュアリティがある論だと思いました。戦争の問題ですよね、これは。 柄谷 そうですね。 いとう 戦争が近づく中で「こども風土記」を書き、空襲下で「先祖の話」を書いた柳田国男に柄谷さんが焦点を当てたというのは、柄谷さんの著作のタイトル

    stonedlove
    stonedlove 2016/06/03
    2013年の対談。霊能者や地蔵盆の話がすごくおもしろい。 『想像ラジオ』と『先祖の話』を読みたくなった。
  • 反原発デモが日本を変える - 柄谷行人

    3月11日の東日大震災から、この6月11日で3か月が経過する。震災直後に起こった福島第一原発の事故を契機に、日国内のみならず、海外でも「反原発・脱原発デモ」が相次いでいる。東京においても、4月10日の高円寺デモ、24日の代々木公園のパレードと芝公園デモ、5月7日の渋谷区役所~表参道デモとつづき、6月11日には、全国で大規模なデモが行なわれた。作家や評論家など知識人の参加者も目立つ。批評家の柄谷行人氏は、六〇年安保闘争時のデモ以来、芝公園のデモに、およそ50年ぶりに参加した。今後、この動きは、どのような方向に向かい、果たして原発廃棄は実現可能なのか。柄谷氏は、6月21日刊行の『大震災のなかで 私たちは何をすべきか』(内橋克人編、岩波新書)にも、「原発震災と日」を寄稿している。柄谷氏に、お話をうかがった。(編集部) *  *  * 【柄谷】最初に言っておきたいことがあります。地震が起こり

  • 温暖化と原子力発電 (2008) - 柄谷行人

    福岡伸一:30年近く前になりますが、柄谷さんは生物学者の日高敏隆さんとの対談の中で、生物学者のナイーブさや素朴さを笑われました。その状況は今もほとんど変わっていません。生物学者は生物をテクノロジーの対象としてとらえ、機械論的に考えて操作できるという幻想を依然として追い求めています。 また、生命現象において、二つ以上の出来事の間に原因や結果としての結びつきがあるという「因果性」が当時ほど明確ではなくなってきているということもあります。 たとえば同じ遺伝子のセットを使って生命を操作しても同じ結果が現れるとは限らない。再生医学の切り札として注目を集めている胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(IPS細胞)などの万能細胞も、われわれがコントロールできるかどうかわからない。

    stonedlove
    stonedlove 2011/04/06
    「未来の他者との仮想的なコミュニケーション」か……。
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