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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/watanabe (4)

  • 在日パチンコ家族4世代の物語にアメリカ人が共感する理由

    <日統治下の釜山から始まる在日韓国人ファミリー4世代の年代記『Pachinko』に、アメリカ人は移民として差別・迫害に苦しんだ祖先の苦労を思う> 周囲のアメリカ人から「あの読んだ?」とよく尋ねられるが毎年何冊かある。韓国アメリカ人作家ミン・ジン・リーの長編小説『パチンコ(Pachinko)』もそのひとつだ。 韓国と日を舞台にした、在日韓国・朝鮮人の4世代にわたる年代記なのだが、アメリカでベストセラーになり、2017年の全米図書賞の最終候補にもなった。私の周囲だけでも、義母、娘、娘の婚約者の母親が同時に読んでいて、まるで「読書クラブ」のようだった。それほど、多くの人に読まれている作品であり、読者の評価も高い。 小説は1910年の釜山からスタートする。大日帝国が大韓帝国との間で日韓併合条約を締結して韓国を統治下に置いた年だ。釜山の漁村に住む漁夫の夫婦は、その運命を黙って受け入れた。

    在日パチンコ家族4世代の物語にアメリカ人が共感する理由
  • 遅咲き日系人作家が生み出した、ロス黒人街の「ホームズ」

    <ロス黒人街の「シャーロック・ホームズ」を主人公にしたミステリー『IQ』。異色のヒーローを生み出したのは、なんと遅咲きの日系人作家> 2017年エドガー賞・新人賞部門の候補になった『IQ』は、IQというニックネームの黒人青年が主人公のミステリー/サスペンスだ。 ロサンゼルスの中でも犯罪が多いことで知られるサウス・セントラル地区で育った黒人青年Isaiah Quintabe(イザイア・クィンタベ)は、この地域の黒人コミュニティで「IQ」というニックネームで知られている。名前のイニシャルが示すようにIQが並外れて高く、シャーロック・ホームズのように謎を解き、問題を解決する。しかもイザイアは、コミュニティの隣人からは報酬を受け取らない。それは過去の罪を償うのが目的だからだ――。 10年ほど前、有名大学への進学を目指していたイザイアは、弟の将来を誰よりも信じていた兄の死により、精神的にも経済的にも

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  • 大統領選の波乱を予兆していた、米SF界のカルチャー戦争

    <ファン投票で受賞が決まるSFのヒューゴー賞で昨年、「反リベラル」作家の作品が候補リストを独占する異変が起きた。文化的多様性を排除して白人至上主義へと繋がるようなこの動きは、今年の大統領選を予期させる出来事だった> ヒューゴー賞(Hugo Awards)は、世界中のSFファンが注目するSF、ファンタジー、ホラージャンルの重要な賞だ。 受賞作は世界SF大会(ワールドコン、 World Science Fiction Convention)に登録したファンの投票で決まり、大会の間に開催される授賞式で発表される。気取った文芸賞とは異なり、批評家ではなくファンが決める賞なので、必ずといって良いほど面白く、ベストセラーにもなる。そういった点で、とても信頼性がある賞だ。少なくとも、2015年まではそうだった。 ヒューゴー賞の信頼を地に落としたのは、「サッド・パピーズ(Sad Puppies、悲しい子犬

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    stonedlove
    stonedlove 2016/12/21
    黒人フェミニストSF作家、N.K.ジェミシンのことをこの記事ではじめて知った。読んでみよう。
  • ボブ・マーリー銃撃事件をベースに描く血みどろのジャマイカ現代史

    50代後半以上の人なら、1978年にボブ・マーリーがジャマイカの首都キングストンで行った「One Love Peace Concert」のことを覚えているかもしれない。 People's National Party(PNP)とJamaican Labour Party(JLP)という2つの政党の対立が内戦化していたジャマイカに平和をもたらすために、ボブ・マーリーが出演したコンサートだ。 そのステージで、PNPとJLPのリーダーの手を繋がせたマーリーの姿は多くの人々の心に焼き付いている。 だが、その2年前にも、同じようなコンサートが企画されていた。 1976年12月、当時の首相だったマイケル・マンリーは、「Smile Jamaica」というボブ・マーリー出演の無料コンサートの開催を発表した。マーリーがそれを受けたのは、政治的対立による殺し合いを止めさせたかったからだ。 ところが、そのコンサ

    ボブ・マーリー銃撃事件をベースに描く血みどろのジャマイカ現代史
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