噴火から10年となる西之島。断続的な火山活動で島は大きく成長した=東京都小笠原村で2023年10月30日午前9時57分、本社機「希望」から手塚耕一郎撮影 2013年に東京・小笠原諸島の西之島に新島を誕生させた噴火から20日で10年を迎える。島は噴火形式を変えながら、今も成長を続けている。海洋島の誕生から進化の過程を目撃できる、地球上でもまれな場所として注目が高まっている。 海洋島の進化まざまざと 10月下旬、毎日新聞社機で西之島上空を訪れた。火山灰で覆われた島の大部分は灰色にもかかわらず、第一印象は「カラフルな島」だった。硫黄を含んだガスの噴出跡が火口付近を筋状に白や黄色に染め、島の山体からは鉄分が染み出て、真っ青な海を茶や濃い緑色に変えていた。 島全体は穏やかに見えた。だが、この姿は強弱を繰り返す火山活動の波の一面に過ぎない。島は現在も断続的に噴火している。航空取材に同行した東京大地震研