【ワシントン=平田雄介、黒瀬悦成】米大統領選で再選を目指す共和党のトランプ大統領は、複数の激戦州での訴訟や再集計を通じ、仮に一般投票で大統領選挙人の過半数を確保できなかった場合に、選挙の正当性に疑問符をつけることで勝利につなげる方策を模索している。今後、法廷闘争が本格化した場合にどのような事態が起きるのか、2000年大統領選での事例をもとに考察した。 00年大統領選の南部フロリダ州での集計をめぐる共和党候補のブッシュ・テキサス州知事と民主党候補のゴア副大統領による法廷での戦いは、決着まで1カ月以上かかった。訴訟で争われたのは、ブッシュ氏が僅差で制したフロリダ州の結果をめぐる再集計の方法が適正かどうかだった。 11月7日の投開票日の翌日に出た暫定結果は1784票差。得票率の差が0・5%以内だったため、州法に従い機械による再集計が実施された。これで得票差は327票まで縮小したが、ゴア陣営は州法