成田のホテルで、2年前に起こった悪夢としか言いようのない災禍を思い起こし、同時に明日南京で体験する夢のような90分間を考えている。 2年前、仙台の両親に必死に連絡を試みた時間帯の焦燥感。深夜に姉からのメールで皆の無事を確認した時の安堵感。その後の報道で見聞きした絶望的な状況。仙台に帰り、改めて現実を見た時の衝撃。 近親者を失った友人、知人の悲嘆。九死に一生を得た人々の恐怖。多くの資産、あるいは生計の手段を失った方々の諦念。 そして、当初から危惧したように、復興への道のりの遠さ。と言うか、道筋が全く見えてこない絶望感。1人1人の立場により異なる要望の方向性。相互の利得の相違から決まらない未来。経済効率からすれば自明の事すら、思うようにできない現実。 私自身も経験している事だが、復興が本格化しようとしてきたために、高騰化する建築資材、不足する職人の方々、納得しづらい高値の復興費用。結果的に進ま