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  • 川淵さん、この仕事はあなたには向いていません: 武藤文雄のサッカー講釈

    川淵三郎氏が、東京五輪の組織委員会会長に就任するらしい。私は憂いている、過去多くのことをなしとげてきたこの元日サッカー協会会長だが、この仕事は向いていない。下手をすると、氏の晩節を汚すものにもなりかねないと。 私の心配の理由は明白だ。川淵氏は「こちらに進むことが正しい」と明確な状況で、格段の推進能力を発揮し、成果を挙げてきた人だ。しかし、「どちらが正しいか不明確」な事態を軟着陸させることは不得手なのだ。そしてそう言った不明確な事案に不適切な判断をしてしまったこともまた多い。さらにその不適切な判断が明白になった後の態度は、とてもではないが褒められたものではなかった。 疫病禍の世界の中、「やるのかやらないのか」意見が二分している東京五輪。その責任者は、典型的な「どちらが正しいか不明確」と言う仕事なのだ。繰返そう、川淵氏はこう言った「どちらが正しいか不明確」な仕事には向いていない。 改めて、氏

  • 最高のエンタティンメント: 武藤文雄のサッカー講釈

    腹は立っている。 しかし、このUAEに対する苦杯を反芻してみると、改めて、サッカーの奥深さを色鮮やかに感じることができ、ワールドカップと言う私の人生にとって最高のエンタティンメントを堪能することに、喜びを禁じ得ないのだ。 UAEはよいチームだった。ちょっと前のこの国の代表チームは、かなりラフな反則を含め激しく守り、前線の選手の脚力に頼る速攻ばかりを狙う、発展性を感じさせないサッカーしか見せてくれなかった。90年イタリア大会に、このようなサッカーで出場権を得ていたのも、悪影響を与えていたのかもしれない。 しかし、昨年のアジアカップにせよ、この試合にせよ、今のUAEは違う。悪辣なファウルもないし、単純に縦に行くだけではなく軽妙で精度の高いショートパスは鮮やかだ。 このような状況での「上から目線」が失礼なのはわかる。でも、私は嬉しかった。「UAEが来てくれた」のだ。日韓国、豪州、イラン、イラ

  • ロシアワールドカップ最終予選初戦前夜: 武藤文雄のサッカー講釈

    いよいよ最終予選が始まる。 何歳になっても、ワールドカップ予選は、最高級のエンタティンメント。己が参戦したのは、86年大会が最初だった。そして、2002年大会を除くと、今度の予選体験は8回目。陳腐な言い方になるが、真剣勝負の愉しさは格段のものがある。 ともあれ。 正直言って、やはり楽観的な思いに支配されてしまう。今回のレギュレーションは、6チーム総当たりのホーム&アウェイの長期戦。このような総当たり戦で、チーム数が増えれば増えるほど、戦闘能力が高いチームが上位に上がっていく。たとえば、明日のUAE戦に苦杯したとしても、丁寧に勝ち点を積み上げればそれで上位に進んで行ける。一方で、UAEが日から勝ち点をとれたとしても、残り試合で勝ち点を積み上げられるかどうかは別な話だ。 たしかに、UAEはワールドユースで好成績を上げた世代だけに、相当な強化をしてきているらしい。報道によると、2ヶ月にわたる長

  • FC東京は何のために城福氏を起用したのか: 武藤文雄のサッカー講釈

    J2ジェフ対エスパルスをノンビリ映像観戦する日曜の夕刻。ふと、気が付いた。両軍の監督は、関塚隆と小林伸二、何と2人とも私の同級生ではないか。考えてみれば、歴史、予算規模、ホームタウン、スタジアム、いずれも相当なレベルにあるが、過去のほんのちょっとした不運から、J2での戦いを余儀なくされている両クラブ。早期のでのJ1復帰を目指し、国内で実績屈指の名監督を招聘しているわけだ。 試合そのものも、スリリングな点の取り合いでおもしろかった。両軍関係者の悲喜こもごもを想像すると、何とも言えないが。 さて、その試合中に飛び込んできた情報。FC東京が、城福監督を解任したと言う。おお、この人も、同級生ではないか。いや、同級生かどうかは、何ら質的な問題ではないのですが。 FC東京は現在勝ち点26の13位、確かに代表選手やそれに準ずるスタアを多く抱え、昨シーズンは4位にい込んだクラブとしては、非常に不満があ

  • ここまでの歓喜に感謝: 武藤文雄のサッカー講釈

    女子代表のリオ五輪出場がほぼ絶望になってしまった。陳腐な言い方で恐縮だが、1つの時代が終わったのだろう。 多くの方々も同意されるだろうが、敗因は若返りの失敗だと見た。多くの選手が北京五輪前から代表で活躍、10年近くに渡り世界のトップレベルで戦ってきた。昨年のワールドカップの準決勝を1つのピークに多くの選手が、すり減ってしまったのだろう。澤のみならず、海堀の突然の引退もその顕れだったのかもしれない。 しかしだ。いや、だからだ。 私は今回の敗戦を「仕方がない」と思っている。 何故ならば、若返りを的確に目指していたとすれば、昨年のカナダワールドカップで好成績を得るのは難しかったと思うからだ。このリオ予選で相応に若手選手が活躍するためには、そのような選手をカナダで起用する必要があった。そうした場合、カナダで準優勝できただろうか。 私は「カナダでの準優勝とリオの予選落ち」は「カナダでもリオでも大会

  • クラマーさん、ありがとうございました: 武藤文雄のサッカー講釈

    デッドマール・クラマー氏逝去。 いつかこのような日が来るのはわかっていたし、90歳での逝去と言えば、天寿を全うされたと言う事だろう。心からご冥福をお祈りします。そして、ありがとうございました。 ともあれ、自分なりの想いを書かなければなるまい。 コーチとしての日サッカーに提供していただけた直接的貢献は言うまでもない。東京五輪準備段階からメキシコ五輪まで、断続的に日本代表長沼監督を補佐する形態で指導、メキシコ五輪銅メダル、あるいは釜邦茂。 その技術指導の見事さは、直接指導された方に語ってもらうほうがよかろう。 まずこの方から。(前略)社会人、大学生が対象だったが、(中略)山城高校から二村、長岡、ぼくの三人が、特別参加した。(中略) 「そこの大きいの。ちょっと出て来て」 集団の中からぼくが引っ張り出された。 ポーンとボールを投げてよこす。ヘディングだ。威力のないボールが少しそれて返っていく。

  • ハリルホジッチさん、わかっているよね: 武藤文雄のサッカー講釈

    ハリルホジッチ氏はアジアを舐めている。 シンガポール戦にせよ、この北朝鮮戦にせよ、相手の能力を軽視し、自分の都合だけで試合に臨んでいる。さらに、状況の悪さの修正を怠っている。 誤解しないで欲しいが、私はアジアサッカーの特殊性を指摘しているのではない。むしろ、正反対だ。日の戦闘能力はアジア屈指だから、シンガポールが守備を固めてくるのも、北朝鮮がシンプルだが高さを前面に押し立ててくるのも当然の話。これはレベルこそ違え、ドイツやアルゼンチンが各大陸の大会で苦労するのとまったく同じだ。それに対して、的確な準備をせずに試合に臨み、しかも試合中に修正ができていない。これだけ実績のある監督だけに、この2試合の失態は、氏が「アジアを舐めている」が故としか思えないのだ。 開始早々、右サイドバックに起用された遠藤航の好クロスを、敵DFを振り切った武藤雄樹が押し込んだ。五輪代表の主将と、今シーズン「化けた」攻

  • 新国立競技場について: 武藤文雄のサッカー講釈

    昨今話題となっている新国立競技場問題について。 40年以上サッカーに浸りきっているが、競技場の事はよくわからない。そりゃ、陸上トラックが無い方がよいとか、傾斜のきついスタンドの方が見やすいとか、屋根があれば濡れなくてよいとか、そう言う意見はあるよ。一方で、屋根があまり大きいと芝の育成の妨げになるとか、どのような構造にすれば入退場がしやすいとか、そのあたりはさっぱりわからない。言うまでもなく、シロートゆえ、何百億円なら妥当だとかの値頃感は、もちろんない。それに加え、どのような外観の競技場がよろしいかなどについての意見もないのだ。 個人的に外観を見て感動したのは唯一サンシーロスタジアム。90年イタリアワールドカップで、ミラノの街で体感したこの競技場は美しかった。あの四隅を構成する美しい螺旋階段。あの螺旋階段のピッチ側がそのままスタンドの入り口となっているために、階段を一周する度にスタンドの声援

  • 遠藤爺不在でも: 武藤文雄のサッカー講釈

    正直言って、スタメンを知った時に「今野はどうなるのだ!」と憤りを感じました。今野は宮城県出身力士。残念ながら現時点ではベガルタとは縁がないが、宮城県のサッカー界で青春を送った身としては、やはり今野は特別な存在。「広義には俺の後輩」なのです。あくまでも「広義」にはですが(笑)。 その今野が、後半から登場し、試合の流れを完全に変えて圧倒的攻勢の要因となったのみならず、得点を決めたのですから痛快な試合となりました。あのコロンビア戦の痛恨のPKの記憶を交えながら。 日は豪州に2対02対1で快勝。アジアカップに向けて、上々の試合となった。 試合展開そのものは各方面で語られている通り。前半、ワンボランチの長谷部の左右を狙われ攻勢を許す。その左右のスペースは、田と武藤が埋めなければならないが、完全に後手を踏んでしまった。武藤は若さを露呈し絞り過ぎる。田はさすがに丹念に守るが、ボールを奪ってから無理

  • 凡人にはつらい議論: 武藤文雄のサッカー講釈

    先日も述べたが、アギーレ氏の意表を突く選手選考と選手起用、それはそれで愉しい。 遠藤爺、今野、長谷部、トヨクバの選考は、アジアカップに腰を入れると言う視点ではわからなくはない。 これまでの4試合とその準備合宿である程度の見極めを行い、そこに足りない要素として経験と実績豊富なヴェテランを復帰させる。元々、ワールドカップの半年後にアジアカップをする日程そのものが間違っているのだ。しかし、いくら間違っているとは言え、それに文句を言ってばかりいては、現実に目を背ける事になる。アジアカップは、何があっても優勝を目指す大会だ。そのためには、34歳になる遠藤翁を含め、総動員体制で臨む事に異議はない。そして、その選考は予想の範囲内だった。 しかし、細貝の不選考と、乾の選考は予想外だった。 アジアカップの前には、もうこの2試合しかない。遠藤爺らの呼び戻しを含め、レギュラ候補の選手との組み合わせを整理するの

  • 忘れたいが、忘れてはいけない過去2014: 武藤文雄のサッカー講釈

    またこの日がやってきた。横浜フリューゲルス消滅発表から、丸16年、4ワールドカップが経った事になる。 来期以降のプレイオフ導入など、Jリーグが曲がり角に来ている現状で、4ワールドカップ前の惨事を振り返るのは、それなりに意味がある事にも思える。 あの時、散々毒づいたが、あの悲劇において、事実上の撤退を表明した親会社側の責を問うのは違っていると思っている。もちろん、当時の親会社に不満はある。しかし、彼らは彼らでビジネスを行っているのであり、ビジネスの原理から投資や出資は避ける選択肢は否定できない。問題はそれを甘んじて受け入れてしまったサッカー側にあったのだ。あくまでも、サッカーにはサッカーの文脈がある。撤退を決意したい親会社がライバルクラブの出資者に期間限定でなるスキームは、サッカーの常識に反していたのだ。サッカーには無限の愉しさがある。愛するクラブが経営に失敗し、七転八倒しながら勝ち点を失い

  • 究極の幸福: 武藤文雄のサッカー講釈

    他力願なのは残念だが、コートジボワールが容易にはギリシャに勝てない事は間違いない。日は淡々とコロンビアに2点差の勝利を狙うのみである。 2006年と状況は全く異なる。当時は「優勝候補筆頭のブラジルに3点差で勝つ」と言う不可能に近いミッションだった。それに対して今回は24年振りに2次ラウンド進出を決めているコロンビアに2点差で勝つ事。現実性が全く異なるのは、言うまでもない。 元々このチーム、ダメな時はとことんダメな試合をしてしまう傾向があった。昨年の東欧遠征の酷さは記憶に新しいし、3次予選ホームウズベキスタン戦など「ここまで情けない試合をしてくれるか」と嘆息したのは、懐かしい思い出だ。 ただ、これらの凡戦は、選手達のコンディションが悪かった時であり、最後の総決算で中々思うに任せない試合を見せられるとは思わなかった。ギリシャ戦はだいぶ改善された感もあったが、コートジボワールの足の止まり方は

  • 自滅だから立て直しは容易だ: 武藤文雄のサッカー講釈

    思うに任せないからサッカーおもしろい。ただ、ここまで思うに任せないサッカーを見せられるとは思ってもいなかった。 初戦で負けたと言う結果はとても残念だ。しかし、結果以上に残念だったのは、この4年間継続して強化してきた、素早いパスを回すサッカーを放棄してしまった事だ。対戦相手のコートジボワールがよさを消してきた訳でもない。ただ、日の各選手が、押上げを怠り、パスコースを作る努力をせず、自分たちが得意なサッカーをしようとしなかった。 逆転を許した後、今こそ粘り強くボールを回していやらしく攻め込まなければならないのに、淡泊な縦パス主体の攻撃しか狙わない。さらに驚いたのは、終盤吉田麻也を前線に上げ、パワープレイに出た事。チーム全体が、得意なプレイを意図的に放置してしまったのだから、残念だった。 そのような試合ができなかったのには2つの要因があると思う。 1つはあまりに慎重過ぎた事。前半立ち上がりか

  • 憲剛と寿人のために: 武藤文雄のサッカー講釈

    ザンビア戦、3対3になる同点弾をらった直後、何とも言えない「ああ、またか」的な重苦しい雰囲気が漂った。 そこからのキックオフ。遠藤爺と交代した青山の「一発やってやろう」と言う表情は、中々のものだった。そして、キックオフ直後の、青山得意の鋭く深い縦パス、大久保の完璧なトラップからの一撃。凄い得点だった。もうあれを見てしまうと「守備がどうのこうの」と言った議論は飛び去ってしまったのは、1つ前のエントリで講釈を垂れた通り(まあ、ひどい守備だったけれどもねえ)。 ともあれ。 あの青山の高精度縦パスにせよ、大久保の超弩級弾にせよ、それぞれJで見慣れた光景ではあった。青山の速射砲の受け手は佐藤寿人、大久保へのセンチメータパスの出し手は中村憲剛と言う違いはあるものの。そして、(前回も述べたが)あのような攻撃を防ぐ手段はカンナヴァーロしかないのだ。 青山、大久保が共にプレイするのは、今回の代表チームが初

  • 素敵なおもちゃ箱: 武藤文雄のサッカー講釈

    ひどい試合だった。 この日、日が繰り返した失点は、既視感の連続。 敵の攻め込みをはね返し損ね、押し込まれた形でボールを回され、DF、MFのほとんどが中央に集まってしまい、逆のサイドを使われ、そのクロスを押し込まれた1点目。ファウルを怖れて敵のボール保持者への対応が遅れ、簡単にサイドに展開され、ライン際の選手をフリーにしてしまう。幾度、このような失点を見せられた事か。ああも遅攻からのサイドチェンジに簡単にやられ続けると、「サンフレッチェに練習試合をしてもらって対策を練りなさい!」と怒鳴りつけたくなるではないか。サンフレッチェの両翼に開くパスワークを止めるために、Jの各チームが青山や森崎和に厳しいプレスをかける工夫を、少しくらい学んで欲しい。うん、先日の我がベガルタのように。 2点目も、おなじみの光景だった。押し込まれて、ボール保持者への対応が遅れて、深く攻め込まれてCKを与え、そこから失点

  • ザッケローニ氏の選択: 武藤文雄のサッカー講釈

    細貝の落選はビックリした。全く予想していなかった。 過去5回のワールドカップメンバ発表で、一番のサプライズではないか。2002年の波戸落選にも驚いたが、このケースは「なぜフィリップは明神ではなくて、波戸を起用するのだろうか?」と言う疑問が常にあった。しかし、今回の細貝落選は全く予想していなかった。長谷部の負傷もあったから、青山の選考は驚きではないが、その場合はボランチを5人選び、センタバックかサイドバックか攻撃的MFを減らすと思い込んでいた。細貝はDFのいずれのポジションも巧みにこなせるのだし。 私はザッケローニ氏を信頼している。しかし、当に細貝不在で大丈夫だろうか。蛍は相当タフなプレイを継続するだろう。結果として出場停止をらう可能性は低くない。また、遠藤爺と負傷上がりの長谷部の肉体負荷を極力減らす必要もあるはず。そうこう考えると、中盤後方で確実に計算できる細貝は非常に貴重な存在となる

  • 上々の抽選: 武藤文雄のサッカー講釈

    抽選終了から丸2日経ち、冷静さを取り戻すと、コスタリカが無性に羨ましくなってきた。ねえ。 ともあれ、上々の抽選だった。 簡単な話だ。他のアジア、北中米各国と、日を置き換えてみればよい。「このグループより楽かな?」と思えるのは、E組(スイス、エクアドル、フランス)、H組(ベルギー、アルジェリア、ロシア…何かちょっと酸っぱい記憶が、これで隣国が負けたら…)くらいか。 F組(アルゼンチン、ボスニアヘルツェゴビナ、ナイジェリア)とA組(ブラジル、クロアチア、カメルーン)は、C組と比較して、欧州国は同等、アフリカ国はやや楽、と言う印象だが、南米の2巨人とは引き分けに持ち込むのは相当厳しい。いくらなんでも、コロンビアの方が、この2巨人よりは勝ち点をとれる可能性は高いと言うもの。この2グループのように、「1強」がいると、残り3国で「1枠」を争う必要があり、相当シンドイ事になる。それに比べると、我がC組

  • 中村俊輔の悲劇: 武藤文雄のサッカー講釈

    Jリーグ最終戦、自分が情けない。よりによって、この週末にわざわざ所要で仙台に帰省し、自宅から2時間足らずで行く事ができる敵地味の素スタジアムでのFC東京戦を欠席。実家から小さなタブレット画面での観戦となったのだから。何をやっているのだ、俺は。人生の目的と手段を完全に取り違えている、バカ丸出しである。 ともあれ、ベガルタの今シーズンを振り返ったり、来シーズン以降に恐怖するのは、後日にしたい。天皇杯が残っているのだし。とりあえずは、その他の重要案件について、講釈を垂れ続ける事とする。まずはJ1上位陣について。 マリノス。 先週のアルビレックス戦、マリノスは前半の敵の猛攻をしのぎ、後半攻勢に転ずる。ところが、CKで栗原がいかにも彼らしいヘディングミス。それを、アルビレックスのエース川又に鋭く詰められてしまった。そして前掛かりになったところから追加点を許し、万事休す。と言ってミスを冒した栗原はこの

  • いや、えがった: 武藤文雄のサッカー講釈

    まるっきり2週間遅れですが、現地参戦した敵地ベルギー戦について。 第4審判がアディショナルタイムを「4分」と出した時、嬉しかった。いや、もっとこの試合を観ていたかった。終わって欲しくなかった。当に幸せな試合だった。 まずは味わい深い失点から始まった。麻也が置いていかれ、川島が軽率に飛び出し、高徳がまったく集中していなかった。これだけ無様な失点を、じっくりとゴール裏から堪能できたのだから、これだけでも現地に行った甲斐があろうと言うもの。しかもこの失点は、それぞれの失敗が異なる階層で議論されるべきものだったのだから。 麻也は実力。麻也がこのような状況で高速FWに置いていかれるのは見慣れた光景。しかし、いい加減もっと意識したプレイはできないものだろうか。足が遅い事はセンタバックとしては致命傷ではない事は、井原正巳や中澤佑二のような偉大な先輩達が証明している。それなのに、いつもいつも、同じ過ちを

  • 後半の守備は何分可能なのか: 武藤文雄のサッカー講釈

    不思議な事に、比較的最近まで、オランダ代表とは戦う機会がなかった。最初の対戦は、4年前の準備試合、終盤ガタガタにされたあの試合だ。それ以前は若年層の大会。北京五輪の敗退が決まってからの3試合目の田のおバカ、あるいはクインシーにチンチンにされた2005年ワールドユースくらい(おお、この時も田がいたな、そう考えると、この男のわずか5年での出世はすばらしいな)。ところが4年前のガタガタの後、南アフリカ大会の1次ラウンドでスナイデルにやられ、この試合で4年間で3試合目、最近は随分と頻繁にお相手いただいている事になる。 悪くない試合だった。 特に後半の守備はすばらしかった。前線からの的確なチェーシングと、螢のボール奪取と遠藤爺の老獪な読みで、中盤でオランダが停滞。そうなると、麻也も今野も鋭い出足で飛び出す事ができるので、浅いラインで戦う事ができる。オランダは幾度か苦し紛れのロングボールで日