体罰の話はあんまりしたくない。 いくつかの媒体で既に書いていることもあって、どう書いても話が重複するからだ。 といって、重複を避けるためにあえて角度を変えて書く試みは、ほぼ必ず失敗に終わる。一番おいしい話は既に書いてしまっているわけだし。 今回は、何度か書き始めて、その度に、アタマの10ラインほどのところで挫折している。 それでもテーマを変えずに頑固に書き進めてみようと思っているのは、何回か書き直しをしているうちに、「今のこの“書きたくない”という気持ちの中に、問題の解答が眠っている」という直感を得たからだ。 もっとも、コラムニストの直感は当てにならない。 とっかかりが見つからない時や、オチを求めてさまよっている時、書き手は、かなりとんでもないところに活路を求める。 道に迷った雀が煙突の中で死んでいる絵柄を思い浮かべてもらうと良いのかもしれない。 私は、時々、煙突の中で羽ばたいている。 と