新国王・王妃を祝う装飾画 国王崩御、国王ばんざい! グルックの新作オペラ、『オーリードのイフィジェニー』が上演された1774年4月19日。 それから20日ほど過ぎた5月10日午後3時15分。 国王ルイ15世が天然痘で薨去します。 誰もが固唾をのんで、時計を見つめながら待っていた瞬間でした。 ひとつの時代が終わり、新しい時代がやってきた―――! 人々は、遺骸のまだ温かい先王の部屋から雪崩を打って飛び出し、ドヤドヤと、控えの間に詰めかけます。 その小さな部屋には、王太子と王太子妃が控えています。 扉が開け放たれ、最初に入ってきたのは、女官長ノアイユ伯爵夫人。 ふたりの前に跪き、『国王崩御、国王ばんざい!』と挨拶します。 これで、新王ルイ16世と、新王妃マリー・アントワネットが誕生しました。 太鼓が連打され、何百人もの将校や廷臣たちも叫びます。 『国王崩御、国王ばんざい!』 これは、代替わりの慣
![王妃ばんざい!英雄アキレウスに讃えられた新王妃。~マリー・アントワネットの生涯34。グルック:オペラ『オーリードのイフィジェニー』第2幕前半 - 孤独のクラシック ~私のおすすめ~](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/62f9bf1ef915d4c661fe4e3f7db3efd9836644af/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2Fs%2Fsuganne%2F20231126%2F20231126202548.jpg)