誰にとっても、個性を発展させ充実させるためには、自分の個性をできる限り完全に表現する以外に方法はありません。(中略)この道がたくさんの道徳上およびその他の障害物によって困難なものになっていること、私たちがわがままを通すことよりも、順応してしまう弱さを世間が好むということ、こういうことから、人並み以上にはっきりした個性をもつ人々にとって、生きるための闘いが生じるのです。 そこでは各自が、自分自身で、自分自身の能力と欲求に従って、どこまで慣習に順応するか反抗するかを決定しなくてはなりません。彼が、慣習、家族、国家、共同体の要請を無視する場合には、それが自分自身の責任で行われることを知った上でそうしなくてはなりません。 どれだけたくさんの危険をひとりの人が引き受けられるかに関しては、まったく客観的な尺度がありません。私たちは、自分自身の能力の限度以上のことをするたびに、それを超えるたびに、その償