この連休でとんでもないものを読んでしまいました。 明治の仏僧、河口慧海(えかい)によるチベット潜入の記録です。当時のチベットは鎖国体制を厳格に布いていて外国人の入国はまず不可能でした。慧海は、日本人で初めて同国に入国(不法潜入)した人物です。 中国語やそれから日本語に訳された経典では本来の仏教の教えを忠実に知ることはできない。チベットには原初の仏典であるサンスクリット経典を忠実に訳されたものが残っている。そこで32歳の仏僧はチベットに旅立ちました。 しかし、チベットに入国するまでは3年かかっています。まずインドでチベット語の学習を行い、2年とかからず俗語も含めてマスターしてしまう。その後ネパールに移動し、当地の高名な仏僧のもとで1年間の修行に入ります。実は、この修行の真の目的はチベットの闇入国の方法を探るためにあったわけです。 さて、ここから手に汗握る大冒険が始まります。6