この記事は「トルコで僕はなにを考えようとしていたか(トルコ旅行記その1) - 紺色のひと」の続編です。 4月5日 月曜日(3日目) 朝6時30分、僕は携帯電話のアラームで目を覚ました。トルコはイスタンブール、観光地のど真ん中にある小さなホテルの一室。前日は飛行機の中で眠ったり目覚めたりを繰り返していたせいか、昨晩は横になった瞬間に眠りに落ちたような気がする。隣の妻はぴくりとも動かない。喉の渇きを覚え、枕元のペットボトルを手に取ると、薄いカーテンが窓ガラスに貼り付いていることに気付いた。ひどく結露している。身を起こして洗濯物を触ると、まったく乾いていなかった。念の為にバスルームの換気扇を回してそちらにも干していたが、大して状況は変わらなかった。部屋の造りと気候のせいだろう、完全乾燥は期待していなかったのでさして落胆もせず、僕はさっさと自分の湿った洗濯物を丸め始めた。 妻を起こし、身支度を整え