タグ

ブックマーク / llena.hatenadiary.org (9)

  • 太陽のこどもたち - 無免許タクシー

    ハレー彗星もヘールボップ彗星も獅子座流星群も、ああそうですかってなもので然程興味がなく見過ごしてきたように今日の日にしてもどうでもいいやと思っていた。そんなふうで朝から書類をあっちへこっちへと持ち回っていたのだけど、ちょうど市役所を出たときに空を見上げたら薄い雲の膜の向こうに白く光る太陽に陰ができているのを肉眼で見ることができた。ふと庁舎の方に目を向けると課長さんとか主任とかパートのお姉さんもみんな立って空を眺めてた。 車に乗り込んで駐車場を出ると、薬局のおじいさんとおばあさんも道端で空を見上げてた。なんだか楽しくなった。道すがら、花火のダンボールを運んでいるおもちゃ屋のおじさんも、銀行の支店長も、床屋のおじさんも、魚屋のおじいさん、寿司屋のおばあさん、交通整理のガードマン、郵便配達のお兄さん、ガソリンスタンドのお兄さん、ジャリトラの運転手、信号待ちをしてる車の窓から顔を出してる太った人

    太陽のこどもたち - 無免許タクシー
    sugaree2005
    sugaree2005 2009/07/22
    素敵な日記。私も無邪気に空を見上げて、カマボコみたいた形になった太陽を見ましたよ。
  • この街で - 無免許タクシー

    6月になったので債務の連帯保証人というか代表取締役になって三年の歳月が過ぎたことになる。起業したわけではないから会社としては創業40年ぐらい。といってもそれも暖簾分けというか分家みたいなものだから屋号として勘定すると80年ぐらいになると思う。いま政界でもガタガタ言われている世襲制度については、いいところもあるだろうし悪いところもあるんだろうね、というあやふやな何の解決にもならない言葉しか持ち得ないのだけれども、 私に空間を理解する能力があるのは、私が銅職人の子孫だからである。私の父も祖父も銅職人だった。母方の家族にも鍛冶屋がおり、母の祖父はたる職人(鍛冶屋と同じようなもの)だった。私の母方の祖父は空間と状況に気を配らねばならない船乗りだった。私の背後には何世代にもわたる準備期間が存在するのだ。銅職人は一枚の薄板からボリュームのある物を作ることが出来る。仕事に取り掛かる前に空間を思い浮かべる

    この街で - 無免許タクシー
  • デキる新社会人を作るたった1つのレシピはモテる仕事術でライフハックがどうのこうの的な胡散臭いタイトルをおめでてー頭でっかちな野郎どもは勝手につけとけ(5点) - 無免許タクシー

    新社会人の皆さんこんにちは、無免許タクシー代表取締役の花小金井ロドリゲスでゲス。 いま新卒で新社会人になられたような年頃の皆さんは小さい頃からインターネッポに慣れ親しんでこられたと思いますので「独り暮らしなんだから頑張って自炊とかしちゃうぞー」てな意気込みを当たり前のようにネットでレシピを検索して済ませちゃうわけですから、こざかしいです。片腹痛いわ。ワタクシが独り暮らしを始めて自炊を思い立ったときなんかは、なんだか小洒落たスーパーみたいなところへ行って右往左往した挙句『カイエンヌペッパー』という全く使い道がわからないオレンジ色の香辛料を買って帰り、部屋で途方に暮れたものです。 [rakuten:kashizairyo:10000599:detail] 今日は新社会人の皆さんがこの味のしない変な調味料に手を出して自炊生活に絶望したりしないように先輩として神業なレシピを伝授したいと思いますが、

    デキる新社会人を作るたった1つのレシピはモテる仕事術でライフハックがどうのこうの的な胡散臭いタイトルをおめでてー頭でっかちな野郎どもは勝手につけとけ(5点) - 無免許タクシー
    sugaree2005
    sugaree2005 2009/04/03
    「上手にできた奴は挫折を知らないガラスのエースにでもなりゃいいじゃん」かっこいいなぁ。
  • 俺とWBCの長い一日 - 無免許タクシー

    ちょっと手が空いたものだからってアンテナに登録したダイアリを片っ端から読み漁っていたら思いがけず時間が過ぎてしまい寝るのが遅くなって今朝は大人として恥ずかしい寝坊をしてしまった。大人であるなら寝坊ではなく寝おっさんと呼ぶべきか。若しくは寝爺とか。 午前中に打合せの約束をしていた先方から携帯電話に連絡が入り着信のバイブで目覚めて約束の時間を30分をずらしてもらい出社。たかだか5分ばかりの通勤の最中に別件で連絡が入り会社に着いて用件を済ませたところで今度はまた別の件で連絡が入る。いまだかつてこれほどまでの繁盛期を体験したことがなく物事の優先順位が把握できなくなってきている。とりあえず先に手を放した方が当の母親なのだろうなとは思う。約束の時間ギリギリになりようやく会社を飛び出て打合せに。「遅くなってすみません」と謝ると「お忙しいところすみません」と厭味を言われたので「貧乏暇なしってやつでござい

    俺とWBCの長い一日 - 無免許タクシー
  • キース・ムーンが爆破したドラムセットのカケラ - 無免許タクシー

    三十も半ばを過ぎてもうじき頭皮や脇の下から仁丹の臭いがしてくるのではないかと慄くような年齢になると、自身の能力や才覚に限界があることを認めざるを得ないというかその限界が年々身近なところに差し迫ってくるような焦燥感すら覚えて、あまりパッとしなかったこれまでと輝かしいはずのこれからに大差がない気がしてがっかりすることも少なくない。とはいえ心意気だけは腐らせてはいけないと思い「おれは空だって飛べる」なんつって嘯くこともあるのだけれどもそれを気で言ってるなどと思われでもしたら少々精神がメルヘンチックな人だと判断されて拘束衣なんかを着せられてしまうやもしれないので、あくまで比喩表現ですよという前口上を述べた上で空を飛ぶと言うだけの悲しい中年の処世術である。来なら「君がいれば空だって飛べるさ」的な口説き文句でもって若いオンナのコを誘惑した後に自家用セスナか何かを操縦しながら助手席のオンナのコの太腿

    キース・ムーンが爆破したドラムセットのカケラ - 無免許タクシー
  • リンダリンダ 第一話 - 無免許タクシー

    土曜日。余程の事由がない限り欠席するなど言語道断である新年会が予定されておったので万難を排してこれに出席した。ステージで晴れやかな笑顔を見せて新年の挨拶をする遠縁にあたる地元の名士が場を温めようと発した一言が、存外に出席者の一人に牙を剥いて温めるどころか怒り心頭な温暖化現象をもたらした。とはいえ一族郎党の領袖に向かい「貴様、先の失言まかりならん」と苦言を呈する者もおらず、自浄作用よろしくそれは「なかったこと」として宴は恙無く進行していき、ぼたん鍋や栄螺の刺身などをらって「うほほ、うほうほ」などと喜んでいるうちに中締めの挨拶があり、〆のうどんをようやく鍋に入れたところで他の出席者は「うどんのような瑣末ない物などに興味はないでおじゃる」と言わんばかりにそそくさと席を立ち、ようやく煮えたうどんをはむはむしていると気付けば遭難者のようにポツンと会場の真ん中に取り残されておった。慌てて上着を羽

    リンダリンダ 第一話 - 無免許タクシー
  • 空から少女が降ってくるお話- 無免許タクシー

    【降臨賞】空から女の子が降ってくるオリジナルの創作小説漫画を募集します。 条件は「空から女の子が降ってくること」です。要約すると「空から女の子が降ってくる」としか言いようのない話であれば、それ以外の点は自由です。 字数制限 : 200〜1000 字程度 字数制限を度外視したら物凄く長くなりました。なんだこれ?ってぐらい。 - そんなに慌しく動き回ったところでどのみち焼き討ちにされちまうってんだよ・・・ まだ陽も高いうちから蕎麦屋の軒先でビッタクタビッタクタと酒を呑み恨めしい眼差しで往来に向かって罵詈雑言を吐いている男の元へ、店から出てきた若い女中が声を掛ける。 「牛ちゃん、もういい加減でお終いにしときなさいよ」 「ああ、うるせえな。あんたはおれのカカアかなんかのつもりか」 「ばっ。誰があんたなんかの連れ合いになるもんかい」 若い女中は捨て台詞を吐くと頬を赤らめて通りの向こう側へと駆けてい

    空から少女が降ってくるお話- 無免許タクシー
  • おしゃれどろぼう日記- 無免許タクシー

    これまで冬期の防寒具といえば革のライダースジャケット(若しくはスーツ用のコート(大人として))しか認めないパンクロックナウエブリデイな日々を過ごしてきた。15年ぐらい前の冬の始めに新宿スタジオアルタの4階あたりの洋品店へ万札を数枚握り締めて行って手にした黒光りするSHOTのライダースジャケット一丁でどんな冬も乗り越えてきた。中に毛布みたいなボアを付けたり外したりできるようになっててクソ重たいけどライダースって呼ばれるぐらいだから風なんか全然通さない防寒っぷりに惚れ込み、シュチュエーションもヘッタクレもなくその黒い鎧を初冬から春が訪れるまで毎年着倒してきた。やがて漆黒に輝いていた革は白く擦れポケットには穴が開き袖口の糸はほつれて幾分みずぼらしい様相を呈してきたけれど、流行廃りに敏感な小洒落たオトナたちへの反抗声明としてボロは着てても心は錦的な矜持でもって決してその革ジャケットを着ない冬はなか

    おしゃれどろぼう日記- 無免許タクシー
  • 平民新聞との邂逅 - 無免許タクシー

    平民新聞をまじまじと読み始めたのは『携帯写真の名誉回復に向けて』という記事だった。それまで平民新聞っていうのは、皆さんご存知の通りに左上のプロフィール欄にわけのわかんない写真と文章があって、おそらくなにか政治的なことを偉そうに語っているようなダイアリーだと思っていた(妄想猛々しくてすみません)。ところがよくよく書かれていることを読んでみれば別に攻撃的な人ではなさそうだった。でもよくわかんない。巧妙に造り込まれた愚直な雰囲気に騙されているのかもしれない。背中を見せたらバクっとやられるかもしれない。まあ、たかだか日記を読むということに対してガッチガチに身構える必要も無いんだけれども。とにかく、このわけのわからない人のわけのわからない日記は面白いと思い始めた。 とはいえ大仰に語れるほど深く読み込んでいたわけでもない。掲載している写真だってあの日記の文章のように力の抜けた感じで適当にパシャッとやっ

    平民新聞との邂逅 - 無免許タクシー
    sugaree2005
    sugaree2005 2008/09/19
    読んでいてどきどきした。心を動かすような素敵な文章と写真。
  • 1