たかが虚しいゲームと知りつつ、今も心は捕らわれたまま ある夜のこと。 古い友人の敷居さん(id:sikii_j)とスカイプで話している最中に、何となしにニコニコ動画プレミアムに入会した。ほんの気まぐれ、意識の亡霊の些細ないたずら。 しかし、それが始まりだった。ぼくは知らなかったのだ。昔馴染みのその男が、ひとを異世界にさそいこんでまわる白ウサギの化身だということを。 かれに案内されて迷いこんだ異世界とは、俗に「アイドルマスターMAD」と呼ばれる世界。同名のビデオゲームをもとに作り出された映像の森。 それまでもその存在を知らなかったわけではなかった。むしろ昔からうわさを耳にしたり、横目で眺めることは少なくなかった。ただ、自分とは無縁の世界だと思っていた。 さまざまな音楽を背景に人間のように踊る電子の少女たちに興味があったわけではないのだ。彼女たちの名前すらろくに知りはしなかった。 それなのに、