震災から1週間が経った。東京では相変わらず携帯の発する毒々しい緊急地震速報に怯え、原発や大停電を心配し、食糧の調達に不安を感じながらも、徐々にそれが日常となりつつある。公共交通機関のダイヤが乱れ、商店街は早く閉まるなど、それなりに難儀しているが、食糧や燃料の不十分な中、ここ数日で寒くなって雪の降る被災地とは比べるべくもない。天皇陛下が記録媒体を通じてお言葉を発信するのは玉音放送以来というが、この震災は日本にとって敗戦に次ぐ正念場であり、向こう数年の展望と決断が、今後のこの国の在り方を大きく変えるのではないか。 原発は引き続き予断を許さないが、事態の収拾へ向けて最大限の努力が続けられているし、仮に最悪の事態に陥ったとしても原爆ほど酷いことにはならない。長崎に原爆が落ちたとき祖母たちは福島と東京よりも近い九州にいたが、父母そして僕はちゃんと産まれてきた。広島も長崎も短期間で立派に復興した。福島