大切な人に思いの丈を打ち明ける時、家族や仲間に感謝を伝える時、大事な思い出や作品について語る時、どこから話して、どこまで伝えるかとても悩む。 悩んだ末、私は言葉をかなり削って伝えるタイプだと思う。ハードボイルドの見過ぎか、文字数に制限のある世界に居過ぎたか、ただ恥ずかしがり屋であるせいなのかは分からないが、限られた文字で伝えたい言葉を作ろうとする。 本人としては一応、言葉で語られない世界に気持ちを託す意味でやっている。何かを言葉にしようとしたその瞬間、言語化できずにこぼれ落ちるものがあるとよく言うが、そういうのを含めるため、余白を設ける代わりに削っているつもりだ。 こういう話し方は、あまり女っぽくないと言われる。女は口数が多いなんて言説を受けた意見だとも少し思う。けれども、確かに女の人には「もっと分かりやすく説明して」だとか「美波は何を考えてるのか分からない」とよく注意をされるし、その通り