《竜王と地球代表が、日本のど真ん中で対決。》 9月22日の『中日新聞』にこんなコピーが踊った。これは「将棋日本シリーズ」東海大会の広告で、対局するのは広瀬章人竜王と深浦康市九段。つまり「地球代表」というのは、深浦康市九段のことを指している。 なぜ、深浦康市九段が「地球代表」なのか? 少し説明を要するかもしれない。 もともとは、10年ほど前にネット掲示板発の荒唐無稽な洒落から生まれたものであるが、最近では「もし羽生善治と藤井聡太が地球を侵略する『将棋星人』だったならば、地球代表は深浦康市に任せたい」という文脈になっている。いつのまにかファンの間で定着し、今回、新聞広告のコピーにまでなったというわけだ。そこで、今回はちょっとこの洒落にのって、話を進めてみたい。 羽生善治九段といえば「羽生マジック」と呼ばれる妙手の数々。 藤井聡太七段といえば、詰将棋選手権5連覇という圧倒的な終盤力。 このように