今から86年前の1938年5月21日未明、中国地方の山間部にある貝尾集落で悲劇が起こった。性的な関係を持った村の女性たちなどから馬鹿にされて恨みを抱えていた都井睦雄(とい むつお・22)は、斧や猟銃、日本刀で武装し、次々と村人を襲った。すでに3つの世帯を襲撃し10人以上の村人を惨殺した睦雄が、次の家へと迫る…。昨年10月16日の記事を再掲する。 凶行の前半に迫った前編記事はこちら→史上最悪の大量殺人「津山三十人殺し」猟銃と日本刀で村人を襲った男の真実 生き残った女性が語る、睦雄の姿 4軒目に睦雄が襲撃したのは寺井政一家だ。娘の寺井ゆり子(22)は睦雄の同級生で、彼が心から愛した女性とも言われている。しかし、遠方の男性に嫁ぎ村を出ていた。ただ犯行の直前にゆり子は里帰りしており、それが犯行のきっかけになったと言われる。睦雄はゆり子を恨んでいた。 睦雄はゆり子宅に侵入すると、ゆり子の父・政一(6