新型コロナウイルス感染拡大で大半の競技会場が無観客の東京五輪。大会組織委員会は沿道などでの観戦自粛を呼び掛けるが、屋外競技では多くの人が一目でも見たいと周辺に集まっている。感染状況を憂慮しつつも「貴重な機会」「雰囲気だけでも味わいたい」といった声が聞かれた。 自転車男子個人ロードレースが実施された24日、コースとなった京王線府中駅(東京都府中市)前のケヤキ並木に人だかりができていた。「沿道での観戦をご遠慮いただいております」と書かれたボードを持ったボランティアが立つが、口頭で注意する様子は見られなかった。 たまたま通りかかった買い物客らも交じり、選手が通過すると拍手が起きるとともに、スマートフォンが一斉に向けられた。近所の男性会社員(55)は「密になることは気になったが、地元で見られる機会はめったにない。盛り上げておいて、『来るな』と言うのも無理な話」と複雑な表情を浮かべていた。 トライア