「泣語(なくご)」という新ジャンルをつくり、チャレンジする男性3人がいる。泣ける話を聞いてもらい、心を癒やしたい――。だが、肝心の話術がいま一つで、なかなか泣いてもらえない。3人は泣きたい気持ちで、稽古に励んでいる。がんばれ、「泣語家」。 昨秋、東京都板橋区の老人ホーム。デイサービスを利用するお年寄り25人ほどを前に、泣石家芭蕉(なかしやばしょう)さん(30)が「みなさん、最近涙は流していますか? ストレス解消で健康にいいんですよ」と話しかけた。そして、語り始めた。 「段ボールの中をのぞいてみると、入っていたのは子犬だった」 その物語は――。小学生の女の子は捨て犬「ボク」を拾う。両親が離婚し、母と2人暮らし。ボクとは大の仲良しになったが、突然死んでしまう。ボクへの手紙を犬小屋に置くと返事が。その後、ボクの命日には、女の子の成長を見守るかのような手紙が届く。高校生になり、父の死を知り、父の家
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