根性論で健康は語れない 「健康であることは喜ばしいこと」――世界中のどこの国であっても、どの文化圏であっても、この意見に異論のある人はいないと思います。 それでも私は「健康に気をつけてがんばります!」という言葉を聞くたびにドキッとしてしまいます。「健康なのは良いことだけれど、健康って努力や気をつけることだけで達成できるの?」と考えてしまうからです。 確かに自分が正しい体調管理をすることで、風邪をひいたり、病気になることを防げることもあります。十分な睡眠をとり、食生活に気を配り、適度な運動をし、規則正しい生活をすることが「身体に良い」のは誰もが認めるところです。 その一方で、風邪をひいたり、病気をした人に対して「それは本人の体調管理がなっていないからだ」と安易に決めつけるのは問題だと思っています。少し前まで日本では「ちょっと熱が出たぐらいなら、出社するのは当たり前」と考える社会人は少なくあり