中田:ちきりんさんは『自分のアタマで考えよう』(ダイヤモンド社)という本を書かれました。まさに正鵠(せいこく)を得たタイトルですね。自分の頭で考える人が少なくなっているのではないかとつくづく思います。自分の頭で考えなくなると、人としての人間力が上がらないのでは……。また、そうした人が増えているので「日本社会全体の人間力が落ちている」と僕は感じています。 例えば学校の教師は、昔も今も大学を卒業して採用試験に受かって教員になります。ほとんどの教師は、学校を卒業してすぐに教員になりますから、いろんな仕事を経験できません。でも、教師である以上、児童や生徒たちに「君は手先が器用だから大工が向いているんじゃないか」「君は金融の世界に飛び込んで、国際的な業務をやってみたらどうか」などとアドバイスします。しかし昔も今も、教師自身はそうした仕事を経験していない。 ちきりん:『自分のアタマで考えよう』、読んで
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