埼玉県警が20日摘発に乗り出した、「痛くない注射針開発」をかたった未公開株詐欺事件。捜査、病院関係者によると、実態のない医療機器販売会社「NPN」のパンフレットに“広告塔”として登場していたのは現職の内科医だった。 関係者らによると、内科医は三重県内の総合病院に勤務する50代の男性。大阪市内で開業後、経営不振などにより約10年前に閉院し関東の病院で雇われ院長などを務めた後、約1年前から三重で働き始めたという。内科医を知る病院関係者は「腕は確かで患者からの評判はいい」と話す一方、「断れないタイプ。借金があるとのうわさを聞いたこともある」。 捜査関係者によると、内科医は知人を介してNPN側に名前と肩書を貸したとみられ、同社の代表取締役にも就任していた。捜査関係者は「被害者の信用を得るために果たした役割は大きい」と話し、県警は慎重に事情を聴いている。