詩人でありながらエッセイ、小説など、幅広く執筆されている最果タヒさん。「誰かの本棚に50年残る本が出せたらいいな」という言葉の裏には、どんな思いがあるのでしょうか。詩そのものについて、ご自身の作品と読者の距離感、古本屋で感じたことなどを綴っていただきました。 最果タヒの詩集がブックオフに置いてある! とネットで言われていることがたまにあって、そういうのを聞くたびに自分が本を売った時のことを思い出す。大抵そういうことを言われるのは、古本に詩集があるのってなんか……迫力があるね……みたいな意味合いなので多分そんないい印象ではないのだろうなと思うのだけど。せっかくだし、自分がそのことについてどう思うか書いてみたい。 詩集を買ってくれた人が、ずっと自分の本棚に置いてくれて、50年後もその本棚の住人として詩集がいたらそんな奇跡みたいなことはないと思う。私は人と50年後も友達でいる自信が全くないし、自