楕円曲線離散対数問題(Elliptic Curve Discrete Logarithm Problem, 以下ECDLP)が解けるか否か, という問題は暗号理論において楕円曲線が用いられる際の安全性基準として一般的である. 本記事から數回に分けてECDLPに対する攻撃手法についてまとめる. ECDLPについて 楕円曲線についてかいつまんで述べる. 体$K$の上の楕円曲線$E/K$をWeierstrass標準形$E/K: y^{2} + a_1xy + a_3y = x ^ 3 + a_2x^{2} + a_4x + a_6$で定義する. 体$K$の標数が2, 3のどちらでもない場合は変数変換により$y^{2} = x^{3}+ax+b$と出来るため, 標数が2, 3で無い時にはこれを明示した上で使用する. 点$P, Q \in E/K$について, 群演算を以下のように定める. ここで,