カナダで鎧竜の新種の化石が発見された。保存状態が抜群で、体は今も鎧のような装甲に包まれている。 文=マイケル・グレシュコ/写真=ロバート・クラーク カナダの荒野に立つロイヤル・ティレル博物館の作業場にやって来た私の視線は、隅に置かれた重さ1.1トンの岩塊に釘づけになった。 その塊は長さが2.75メートルあり、一見すると恐竜の彫刻のように見える。鎧のような装甲が首と背中をモザイク状に覆い、1枚1枚の鱗は黒っぽい物質で縁取られている。首を左のほうへ曲げたその姿は、まるで好物の植物でも食べようとしているかのようだ。だが、これは彫刻などではない。鼻先から尻までが化石になった、本物の恐竜なのである。 研究者のケイレブ・ブラウンがにやにやしながら、私が驚く様子を眺めていた。「骨格を見つけただけではありません。生きた恐竜そのもののような化石を手に入れたんです」 この恐竜はノドサウルス類の新種で、同時に新