この記事の写真をすべて見る 性犯罪で逮捕された加害者は、動機について「性欲をおさえきれなくて犯行に及んだ」と述べることが少なくない。根本的な治療が必要な加害者でも、警察や裁判官の質問に答えているうちに加害者自身が「(犯罪は)自分の性欲のせいだったのだ」と信じ込んでしまうのだという。そして自らの責任を、被害者や社会の仕組みに転嫁してしまう。そうした性加害者の歪んだ考え方を生む背景、捜査機関の問題点を精神保健福祉士の斉藤章佳さんが解説する。(河出新書『50歳からの性教育』から一部抜粋、再編集) 【グラフ】わいせつ行為で処分された公立校の教員の数 * * * ■加害者は「モンスター」ではない 拙書『男が痴漢になる理由』で私が、痴漢の典型的な性加害者像を「四大卒、会社員、既婚の男性」とまとめたところ、驚きと納得の、両方の声が上がりました。これは、クリニックに通院している加害経験者たちからヒアリ