訳者 序/まえがき/序 訳者 序 『脳を繙〈ひもと〉く―歴史でみる認知神経科学』は,神経心理学コレクション・シリーズの節目に,今までとは装丁の雰囲気も変えて出版されます。表紙に帯がついたのが一番大きな違いです。表紙のサルのレリーフは本書の歴史的な内容を意味し,合成した海の写真は脳の複雑で謎の多い構造を深海になぞらえて表現しているのかもしれません。 神経心理学コレクション・シリーズの第1巻は,「神経心理学の挑戦」で,およそ10年前,2000年5月に発刊されました。対談形式が特徴で,当時仙台の山鳥 重先生と東京の私とが,まず仙台,次に東京で長時間対座してお話ししたことをよく覚えています。当時はまだボイスレコーダーはなく,編集の樋口 覚さんが細い帯状のテープが入ったレコーダーを机の真ん中に3台も置き,話が盛り上がったときに中断しなくてもよい準備をしてくれました。最近では対談・鼎談内容の正確性を期
はじめに 実習,研修,卒業研究,卒業論文,学会発表,学位論文……。大学や大学院で研究していたらもちろん,病院や保健所,福祉施設で働いていても,調べたことをまとめて発表する調査や研究は,身近なものではないだろうか。「倫理委員会が審査する」という話もよく聞くようになった。 でも,調査や研究を進めなくてはいけなくなったとき,そして,「倫理委員会」に通してもらう必要が出てきたとき,はたしてどうしたらよいのだろう。そもそも,調査や研究は,どんなことに気をつけて進めていけばいいのだろう。この本は,そんなことを思ってたたずんでいる人たちのためにまとめたものである。 調査や研究を進めていくうえで,倫理面から考えておかねばならないことはたくさんある。その見通しを立てるには,結局のところ,研究の流れ全体の見通しも立てておかないと難しい。そのため,この本は,通読してもらえれば,研究を始めてから終わるまでの流れが
「大きな転換期を迎えている」。これは日本の医療供給システムを議論する際にしばしば用いられるフレーズだ。では,私たちがいま直面しているのは一体いつ以来の転換期なのだろうか。もしこれが100年に一度の事態だとするならば――。 20世紀の医療供給システムが終焉を迎えつつあることを著書『病院の世紀の理論』において示した猪飼周平氏は,いまこそ長期的観点から基本デザインを構想する必要があると説く。これに対し松田晋哉氏は,コミュニティケアやまちづくりが重要であるとして,医療関係者の発想転換と参画を提唱する。「病院の世紀」を超えて,高齢社会に望ましいヘルスケアの構築へ。本紙対談において両氏が,その架橋を試みた。 松田 『病院の世紀の理論』の中で猪飼先生は,現代人が常識としている「病院を中核とする医療」が,実は20世紀という時代の産物であることを歴史的に検証されています。 猪飼 19世紀までの病院は,治療よ
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