後半であるこの記事では、本の後半部分、自閉症児者をどう支援・教育していくかの部分について懸念点に触れ、そこから考えたことを記しておきたい。 「刺激過多な環境下の子育ての問題点」を指摘するだけで終わってよいのか 熊谷氏の以下の仮説は、前半の内容を踏まえれば個人的には理屈として非常に納得のできるものだ。 ・自閉症の素質は先天的であっても、それがどのように発現するかは乳幼児期の生育環境が大きく関わっている。感覚過敏を持つ子どもを乳幼児期に刺激過多な環境に置くと、より重度な自閉症が形成される可能性がある ・現代に自閉傾向を持つ者がどんどん増えているのは、現代社会が基本的に刺激過多な環境だから しかし、だからといって現在の社会環境下で「では世の中の育児担当者はスマホやテレビに頼らない子育てをすべし」と言うことで終えてしまってよいのかというのが、私が懸念するところだ。 この時期には、子どもを過剰な刺激