人と一緒にいたいのに人と一緒にいることが苦手。ふっと意識が自分だけになる「自分スイッチ」|成宮アイコ・連載 ふっと意識が自分だけになる「自分スイッチ」 思えば、小学校のころからそうでした。 「2組の転校生、なまってるけどかっこいいよね」「音楽の先生、すぐ怒るし、むかつかない?」「新しい文房具屋さん見つけたんだよ」 近所の女の子たちと、集団登校で盛り上がっている途中、なにげないことをきっかけに、たとえば道が日陰から日向になるとき、アスファルトがふっと明るくなったあの瞬間に、「自分スイッチ」のようなものがパチンと押されてしまうのです。 『あ、そういえばきのう観た映画に出てきたのってこんな天気だったよな、横の草むらを降りたら川があって、知らない洞窟があったりしてさ、そしたら主人公と同じように中に入れるかな、こわいかな、あーでも今日のスニーカーじゃ水に濡れちゃうからだめだな...だけどこのスニーカ