近年、K-POPや映画・ドラマを通じて韓国カルチャーの認知度は高まっている。しかし作品の根底にある国民性・価値観の理解にまでは至っていないのではないだろうか。このコラムでは韓国映画を通じて韓国近現代史を振り返り、社会として抱える問題、日本へのまなざし、価値観の変化を学んでみたい。 画面に顔が映らない父親に向かって、微笑みかける幼い少女。やがて少女は孤児院に預けられ、父親が迎えに来ると信じながらも、少しずつ現実を受け入れていく。少女の目線から描かれる孤児たちの世界、大人たちの偽善、変わっていく日常……。 映画『誰も知らない』(是枝裕和監督、2004年)が、大人の犯罪を告発するのではなく、誰の目にも留まらない“子どもたちだけの世界”として描いたように、今回取り上げる『冬の小鳥』(09年)もまた、余分な説明を一切排除し、主人公の少女の視点から、彼女の知識の範囲内で物事が見つめられていく。 それは
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く