親や孫の遺骨が盗まれた洞窟墓地の前で嘆く先住民族の親子=ミンドロ島、四倉写す フィリピンで第2次世界大戦中に戦没した日本人の遺骨を収集する厚生労働省の委託事業に対し、遺骨の収集や確認方法に問題があるとして地元住民や戦没者遺族、事業に協力してきたフィリピン国立博物館などから中止や改善を求める声が上がっている。同国各地で人骨盗難事件が起きていることが背景にある。 比中部のミンドロ島東部で今年6月27日、大量の人骨を運んでいた先住民族の男3人が住民に捕まった。100カ所以上の洞窟(どうくつ)墓地から1千人分以上の住民の遺骨が持ち出された形跡があった。先住民族組織代表のアニウ・ルバグさん(40)らによると、うち2人が「骨を集めている者に売るために洞窟から盗んだ」と認めた。 同島では厚労省の遺骨収集が行われている。ルバグさんらは「男たちが祖先の骨を日本人の遺骨と偽って提供しようとした疑いがある