不自由の考察 妙な国である。 国体を構成する「宮内庁」という公的機関が、広く一般国民から「短歌」を募り、「歌会始」と称して一陽来復の新春を寿ぎ、歌の腕前を競い合うという。 世界広しと言えども、これほど優雅に春を祝う国は有るまい。 歌会始と聞くと、僅かながらも胸をざわつかせるものが有る。 皇居歌会始とは比べるべくも無いが、我が父は半世紀もの間、市の広報に愚にもつかない「川柳」を投稿し続けて悦に入っている。 そのくだらなさで一頭群を抜く出来栄えに、家族は都度肝を冷やし、思い止まるよう説得するが、既に耳は遠く、独断と専行は続くのである。 毎月、「市報」の配布から暫くの間、近隣の目は冷たい。(-ω-) ところが無責任な近所のお婆ちゃん達が老人会の場などで『新聞に掲載されるなんて・・・あんた生半可な知識人じゃないわよぉ~』等と持ち上げたものだから、もう大変。 火に油を注ぐとはこの事である。 ある年か