政府の総合科学技術会議(議長・麻生首相)は19日、「第3期科学技術基本計画」(2006〜10年度)の進捗(しんちょく)状況を分析した報告書をまとめ、女性や若手の登用が進まない現状を明らかにした。 基本計画は女性研究者について、分野別に15〜30%の採用率目標を設定したが、達成できたのは保健分野だけ。理学、工学、農学分野では目標を7〜14ポイント下回った。また、競争的な研究費に占める女性研究者の獲得割合は5%に過ぎず、過去3年間横ばいだった。 一方、博士号を取得しても定職に就けない「博士余り」が深刻化し、能力のある学生が博士課程への進学を目指さない傾向について、報告書は「支援の取り組みが遅れ、若手研究者が将来展望を描きにくくなっている。研究者という仕事の魅力が失われる状況を招いている」と述べ、今秋から策定作業が始まる第4期基本計画での改善を求めた。