1)はじめに 第1章 リベラルな社会と連帯 2)リベラルな社会の構想 3)フーコー、ハーバーマス批判 4)連帯のイメージ 第2章 世界、真理、言語ゲームの変換 5)世界と真理の在り方のちがい 6)真理は文の属性 7)ボキャブラリーを変えるための再記述の方法 第3章 言語論 8)言語は媒体ではない 9)ディヴィドソンの解釈 10)ローティの問の架空性 第4章 文化論 11)出来事の再記述 12)自己の偶然性 1)はじめに 突然私のなかに飛び込んできたリチャード・ローティ。彼は、これまでの哲学者を二群に分けています。その尺度は、公共的なものと私的なものとを融合しようとする努力において人間には共通の本性があるという認識であり、この認識を土台にしている人たちと、この認識に懐疑的な人たちとに区分するわけです。ここまでは常識的な分類のように見えますが、ローティの特異性は、懐疑主義者もまたすべての人間存