身の丈六尺を越える屈強なる快男児どもが六尺褌きりりと締めて次々と海へ飛び込んでいく。真っ白な飛沫が空に舞い、怒濤の如き白濁が津波となって押し寄せて、波打ち際に残るのは全身タイツのようなもの。「ママー、これなにー?」「兵どもの夢の跡よ」棒きれでそれを突いて弄ぶ息子に母は、火照る身体を鎮めつつ、冷静を装って答えるのだった。 シャドーセックスがオナニーと呼ばれたのはもはや遠い過去の話、かつて大地にその精を漏らして神の怒りを買ったオナンを語源とするオナニーに対して、秋葉原とらのあなの中古同人誌コーナーで発見された写本――通称・腐海文書――は新たな解釈をもたらした。腐海文書はいわゆる成人向け神パロ本のひとつだった。文書はすぐに複製されP2Pを経由して世界各地に散らばり、神学者の研究対象あるいは自慰ネタとして用いられた。そんな無数の進学者の一人が射精の瞬間に啓示を受けた。彼が発射した瞬間に開かれていた