ブラザー工業は10月20日、網膜に光を当てて映像を映す「網膜走査ディスプレイ」(RID)のモバイル化に成功したと発表した。電源ボックス部分を大幅に小型化した上、電池駆動に対応させた。2010年度の事業化を目指し、開発を続ける。 RIDは、目に入れても安全な明るさの光を網膜に当て、その光を高速に動かすことによる残像効果を利用し、網膜に映像を投影する技術。映像は視覚として認識され、あたかも目の前に映像があるかのよう感じるという。 同社が開発しているRIDは、眼鏡型の接眼モジュール、光源モジュール、光走査モジュールの3つで構成。今回、光源モジュールを大幅に小型化し、光源モジュールを含む電源ボックスの小型化・モバイル化を実現した。 光源モジュールには、フルカラー映像を表示するためにRGB各色のレーザー光源を搭載している。これまで緑色の半導体レーザーが実用化されていなかったため、固体レーザーを採用し
NECは10月26日、ブラザー工業の眼鏡型網膜走査ディスプレイを採用した業務支援システム「Tele Scouter」(テレスカウター)を製品化し、2010年11月から出荷すると発表した。網膜ディスプレイとウェアラブルコンピュータを組み合わせ、工場や倉庫の担当者による現場業務支援などの用途を想定。コンテンツ配信などへの展開も進めていく。 網膜ディスプレイとウェアラブルコンピュータ端末、管理用サーバなどで構成。マニュアルや生産指示書、ピッキング情報などをウェアラブルコンピュータに送り、網膜ディスプレイで表示。現実の視界に重ねて映像を表示できる網膜ディスプレイの特徴を生かし、現場担当者はハンズフリーでマニュアルなどを確認しながら現場作業を行える。 ディスプレイに装着した小型カメラの映像を中央サーバに送り、本部の技術者と現場担当者でトラブル解決について話し合うといったことも可能だ。ディスプレイとウ
エプソン販売は12月7日、AR(拡張現実)を用いたカラリオ「3D年賀状」作成サービスを開始した。利用は無料。同日から2010年1月31日まで作成サービスを提供する。 カラリオ3D年賀状は、カラリオでプリントしたハガキ、AR、ウェブサイトで作る年賀状。年賀状をウェブカメラにかざすと、パソコンの画面上に映ったハガキから、送信者が選んだ写真、イラスト、メッセージが3Dグラフィックとして浮き上がって見えるという。 送信者が、「3D年賀状」ウェブサイトにアクセスし、ハガキの通信面を作成、写真の選択、拡大、縮小などを施したあと、受信者が3Dを見るための「合言葉(パスワード)」が発行されるという仕組み。受信者は、3D年賀状ウェブサイトにアクセスし、ハガキに記載されている合言葉を入力。ウェブカメラにハガキをかざすと3Dが表示されるとのことだ。 年賀状を見るサービスは、同日から2010年2月28日まで受け付
楽天トラベルと頓智・(トンチドット)は12月3日、頓智・が開発したiPhone向けアプリケーション「セカイカメラ」を活用した旅行者向けサービスを提供開始した。 セカイカメラは、iPhoneのカメラで見る景色に「エアタグ」と呼ぶ情報をつけたり、ほかのユーザーがつけたエアタグを閲覧したりできるアプリケーション。 今回提供を開始したサービスは、総合旅行サイト「楽天トラベル」の約2万3000件の宿泊施設情報を、セカイカメラでエアタグとして表示するもの。旅行者はiPhoneをかざすだけで近隣の宿泊施設の宿泊料金、ユーザーの評価、宿泊施設の特色を参照できる。近日中に、楽天トラベル経由で宿泊予約ができる機能も提供するとしている。
カメラで写しだした風景に「エアタグ」と呼ばれるさまざまな情報を付加する拡張現実(AR)サービスとして注目を浴びた、iPhone向けアプリ「セカイカメラ」――。同アプリの新バージョンとして近日中にApp Storeで公開を予定する「バージョン2.0」では、ARコンテンツのさらなる充実に加え、セカイカメラを使ったユーザー同士の“コミュニケーション”を活性化させる大幅な機能拡張が施されている。 セカイカメラを開発した頓智・(トンチドット)は12月2日、アップルストア銀座でイベント「Sekai Camera SUKIYAKI 2009 Tokyo」を開催し、新バージョンの詳細やセカイカメラを使った企業との取り組み、開発者向けに公開するAPIの概要などを発表した。約2時間にわたり紹介された盛りだくさんの内容から、本記事ではバージョン2.0の機能について紹介する。 「ソーシャルAR」の側面を強化する「
昨年のTechCrunch50で世界に名をとどろかせたセカイカメラ。iPhone向けの無料アプリが公開されたのがこの9月24日だ。ラブプラス姉ヶ崎寧々のタグテロ、わずか4日間での10万ダウンロード達成など世間を賑わせた。しかし、それは日本だけの地域限定デビュー。世界はまだ本当のセカイカメラを知らない。 AR(拡張現実)技術を使ったアプリでは、Android向けにWIKITUDEやLayarが先行。AppleのAPIが緩和されたことによりようやくリリースできたセカイカメラiPhone版のリリース時には、AndroidアプリもこぞってiPhoneにも対応した。現在は数十もの「AR系」アプリがApp Storeを賑わせている。 Android版だけだったときはさして話題になっていなかったARだが、iPhoneアプリの登場により認知度は非常に高まっている。デスクトップPCとWebカメラを使ったさま
ゼンリンデータコムと頓智ドットは2日、法人向け地図活用ソリューション「e-map」の拠点案内サービスと「セカイカメラ」の連携を開始した。 「e-map」は、Webサイト向けに、地図やナビゲーション機能を使った拠点案内ソリューション。流通、金融、不動産、観光、自治体などさまざまな業種で、これまでに約300以上の企業・団体が活用中だ。一方「セカイカメラ」は、カメラを通してみた現実空間上に、テキストや画像などの情報を重ね合わせて投稿・閲覧ができるAR(Augmented Reality、拡張現実)サービス。これらの情報は、「エアタグ」という形式で、主に一般ユーザーから投稿されている。 今回の連係により「e-map」利用企業のさまざまな拠点情報を「セカイカメラ」上で提供することが可能となる。店舗や物件などの案内情報を、そのままオーソライズドタグ化して提供できるため、ユーザーは街中で「セカイカメラ」
東京急行電鉄は30日、日本電気、情報・システム研究機構国立情報学研究所、東急エージェンシーと共同で、街なかソーシャル・ブックマーキング「pin@clip ピナクリ」の実証実験を行うことを発表した。 「pin@clip」は、渋谷で過ごす人たちが「iPhone」を媒体として、「おもしろい、お気に入り」情報を街で書き込み、ユーザー間でシェアすることで新しい発見を広げていくiPhoneアプリケーションサービス。「pin@clip」では、利用者の位置・時間などに応じてAR(拡張現実感) などのインターフェイス、リスト表示、マップ表示などを活用しながら、渋谷駅周辺(渋谷区神宮前、渋谷、東、桜丘町、南平台町、神南、宇田川町、道玄坂、円山町、神泉町、松濤、神山町)の情報を提供する。さらに東急ハンズ渋谷店店内では、売り場に応じた関連情報を提供する。 提供される情報は、来街者や地域住人が渋谷で位置情報を付けて
グルグル回しちゃえ〜 Qi Pan社が作ったアプリ、ProFORMAは凄いですよ。なんたって実在の3Dモデルをグルグル回すだけであっというまに3Dポリゴンに変換しちゃうんです。詳しい動作方法は動画をご覧いただくとして、簡単に説明すると特徴点を抽出、それぞれポリゴン化して回転させるにつれ最適化。最終的な3Dモデルにするという仕組。自動でテクスチャマッピングもしてくれるし、手は消えるしと至れり尽くせりです。 ARには最適ですが、私にはARがどれほど必要かまだよく分らないんですよ。3D萌えキャラが出てきてツンツンしたり、エアタグで姉ヶ崎寧々参上とか打つのは楽しいですけどね。 [Pro Forma via Boing Boing] Chris Jacob(原文/野間恒毅)
現実世界の見え方を補完する 拡張現実(Augmented Reality、AR)とは、コンピュータなどのテクノロジを駆使し、実世界の見え方を補完する技術を指す。どのような形で実現されるかの定義はないが、人間の五感を通じて存在を感じたモノに関する情報を提供したり、あるいは五感に伝える情報を強化したり、といった「現実+α」という方向性は共通している。 ARの概念自体は映画やアニメのほうが先行しており、NHK教育テレビで放映されたアニメ作品「電脳コイル」で使われた「電脳メガネ」は、ARの未来形の1つといえる。かけると周囲のものすべてが怖ろしげに見えるドラえもんの道具「きもだめしメガネ」も、一種のARといえるだろう。 アプローチはいろいろ フィクションの世界では「メガネ」の形態で登場することが多いAR技術だが、現段階では、スマートフォンの力を借りて実装が進められるケースが多い。 例の1つが、公開さ
iPhoneを使った拡張現実アプリとして開発された「セカイカメラ」(開発元:頓知・)を発売よりひと足先に体験できるスペースが登場した(関連記事)。 スペインのマドリッドを本社とするレザーブランド「ロエベ」(東京・表参道)では、10月12日まで開催中の「ロエベ アマソナ展」にて、セカイカメラをインストールしたiPhone 3GSを用意して、来店したお客さんに貸し出している。 「セカイカメラ」を目の前にかざすと、iPhoneの画面には実際の店内の様子に加え、さまざまな情報が書かれた「エアタグ」が浮かび上がる。エアタグにタッチすると、ロエベの歴史や製品にまつわるストーリーを読むことができる。 室内では、Wi-Fiの電波とコンパスを使って位置情報を認識して、その場に応じたエアタグを表示するという仕組みだ。ユーザーが感想などを書き込んで、エアタグとして残すこともできる。 iPhoneユーザーでもある
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