「中山・・京一・・・」 ホテルに戻った相馬は、ノートPCを使い、ある人物を検索していた。 大沢博士が相馬に託したExcelのシート。 そこに隠されていた「中山京一」という名前。 彼は博士の大学時代からの同期で、大沢博士と一緒に研究を続けていた、元研究メンバーでもある。 相馬が研究所に入るよりずっと昔に、彼は研究所を去ったらしい。 あの日、相馬を除いた研究メンバーは全員、謎の組織の手によって殺された。 たった一人逃げ延びた相馬だったが、彼も銃による負傷を負っていた。 「痛つつ・・・」 まだ痛みの残る右腕で、ノートPCのキーボードを叩く相馬。 その手が止まった。 「見つけた・・・この人だ・・・」