二〇〇七年のある日、ウォールストリートの二軍カナダロイヤル銀行のブラッド・カツヤマは、さっきまで画面にあった売り注文が、買いのボタンを押すと、蜃気楼のように消えてしまうことに気がついた。その謎をとこうとパズルのピースをあわせて見えてきたのは、コンピュータ化された市場で常態化した巨大な八百長、ミリ秒、マイクロ秒、そしてナノ秒のしのぎを削って私たちを先回りするフラッシュ・ボーイズの姿だった。唖然、呆然、これでは一般投資家は絶対に勝てない。 【広告】 クリストファー・スタイナー「アルゴリズムが世界を支配する」の冒頭、ウォール街に電子取引を持ちこんだ物理学者のエピソードと超高速取引を行うときに重要なケーブル線長の話が出てくる。 何人もの男らが手を上げ叫ぶ、いわゆる魚河岸のような立会場の光景はもう昔。 今や取引は電子化され、人間では追いつけない速度での取引が主流になった。 ※こちらも面白い。オススメ