ブックマーク / pto6.hatenablog.com (148)

  • みんなでオモチャ王国へ - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    テントの中がサウナと化している。 髪の毛を濡らしていた水分たちが音を立てて蒸発している気がした。死。ぼやぼやしていると、自らに訪れるのはそれ以外の何物でもないと感じた。 テントから出ると、焼けたアスファルトをサンダルで踏みしめ、ふたたび歓声飛び交うプールへと向かった。娘は身体ほどもある大きさの浮き輪を両手でつかんでいる。水辺に近づくとそれだけで体温が下がるような気がした。実に涼やかだ。 娘が水に浸かり、がその後を追う。私は水着姿の息子を抱きかかえ、彼の足先を少しだけプールの水につけた。最初は驚き、声をあげたが、繰り返すうちに心地よさを覚えたのか、すんなりと受け入れるようになっていった。 私は浅い子ども用プールにそのまま腰を下ろし、目の前に息子を立たせた。水面を叩くとしぶきがあがり、それが顔に跳ね、少し驚いた表情を浮かべた。 今日は快晴の下、オモチャ王国を訪れていた。しかも仲の良い同期家族

    みんなでオモチャ王国へ - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう
    suoaei
    suoaei 2021/07/31
  • 帰ると届いてる - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    家に帰ると漫画が届いていた。 幸せだ。昨晩注文したばかりだというのに。漫画の方は今日が発売日なので、届くのは早くても明日以降かと諦めていたが、なんと当日に届いてくれた。 便利な世の中だ。もちろん屋で買うのが一番好きなのだが、在庫がなかったり、屋に行く時間がなかったりのときにはやはりAmazonは便利である。 漫画は少額で買えるのに購買意欲を充分に満たしてくれるのが嬉しい。の装丁や漫画の表紙を撫でているだけで幸福感を味わえる。同じ内容でも、電子書籍では味わえない快感だ。 今週も激務をなんとか乗り切ることができた。明日はお出かけの予定があるし、新しい漫画も手に入った。この週末も大いにリフレッシュしよう。

    帰ると届いてる - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう
    suoaei
    suoaei 2021/07/31
  • 【愛読書】ティファニーで朝食を - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    トルーマン・カポーティの『ティファニーで朝を』を再読した。翻訳は村上春樹版である。 学生時代に読んで以来二度目だ。当時読んだ友人に貸したまま譲る形となった。手元になかったため今回改めて購入した。これは棚に置いておきたいと思っていたなので躊躇はなかった。 これが私にとっての初のカポーティ作品だった。当時とても感銘を受けたことだけは覚えている。そのためカポーティはすっかり好みの作家だと思っていたのだが、先日別の短編集を読んだ際、そこまでしっくりと馴染まなかったので首を捻っていた。 もしや今作も改めて読み返してみたら失望を味わうことになるのか。そんな懸念がないわけではなかったが、再読してみてほっと胸を撫で下ろす。やっぱり傑作だ。今読んでも最高に私好みの作品である。 解説を読むと納得感を覚えた。どうやらカポーティは今作を境に、文体や作品の書き方を大きく改革したそうなのだ。どうりで今作以前

    【愛読書】ティファニーで朝食を - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう
    suoaei
    suoaei 2021/07/29
  • 久しぶりの在宅勤務 - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    ワクチン副反応の峠は越えた。 朝起きた時点で37.5℃。普段の平熱よりは高いが、それでも地獄だった昨晩と比べると天国にいるような心地であった。 とはいえ、今日までは様子をみるため在宅勤務をした。昨日の分も取り戻せと、マックスで残業もこなした。仕事終わりでも37℃前半だったが、頭痛等はないので明日からは出社できそうである。 今月に入ってからはしばらく出社続きだったため、久しぶりの在宅勤務だった。娘は幼稚園が夏休みのため一日中家にいて賑やかだったが、ベランダプールで遊ばせたり、昼寝をさせたり、がうまいことコントロールしてくれていた。 それでも端々で娘は話しかけてくるし、息子も私の姿をみると笑顔で近寄ってくる。電話中などは困ったが、それ以外のときは癒しをもらった。天真爛漫な娘と、それと同様の片鱗がみえる息子。彼らは終始笑顔であり、みていると幸せな気持ちになれる。 明日からはそれも見れなくなるの

    久しぶりの在宅勤務 - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう
    suoaei
    suoaei 2021/07/28
  • ワクチン副反応ふたたび - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    頭が割れんばかりに痛かった。 ワクチン2回目の副反応である。接種した翌朝で熱は38.2℃まで上がり、悪寒、頭痛、関節痛が激しかった。これだと仕事事もままならない。 同日に接種した課長も同様の症状で、あまりのキツさに午後から急遽年休をとっていた。私もできれば休みたいところだったが、仕事の状況的にはそういうわけにもいかなかった。 とはいえ、仕事をするのも定時までが限界であった。電話で声を出すのもしんどくて、あまりの頭痛に何度も横にならざるを得なかった。 やはり2回目の副反応の強さは半端ではない。しかもうちの職場でいえば今のところ接種した全員が激しい症状に襲われているので、これから打つという方は覚悟しておくことを推奨する。 仕事後、解熱鎮痛剤を飲み寝室で横になった。目を覚ますとやっと頭痛が収まり、なんとかご飯を摂ることができた。明日には完治していることを願う。

    ワクチン副反応ふたたび - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう
    suoaei
    suoaei 2021/07/28
  • ワクチン接種2回目 - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    もはや死刑台に向かう気持ちだった。 もちろん大袈裟には言っているが、全部が嘘というわけではない。2回目の副反応は1回目の比ではないということは、世間でも言われているし、身近な例でも既に立証済みである。 とくに私は1回目の際にも3日間にわたって副反応に苦しめられた。他のメンバは腕の痛みくらいだったと言っていたのに、私だけはそれに加えて熱が出て頭痛にまで苛まれた。 これは前回を超える副反応が出ることは確実である。あとはそれが何日くらいで治るのか、その勝負だと自分に言い聞かせている。 夕方に接種して、その後は在宅勤務に切り替えた。仕事終わりの熱で既に37.2℃。経験者いわく接種した夜中に高熱でうなされるらしい。無事に明日の朝を迎えられることを願っている。はあ、こわい。

    ワクチン接種2回目 - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう
    suoaei
    suoaei 2021/07/26
  • カブトムシ羽化 - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    飼っていたカブトムシがついに羽化した。 計6匹を育てていたが、結局大人にまで育ってくれたのは3匹のみであった。途中でお別れした幼虫たちは公園の土に娘と埋めにいった。 とはいえ幼虫から成虫まで育て上げたのは、私にとってもこれが初めての経験だ。日々観察をしていただけで、とくに世話を焼いていたわけでもないのだが、それでもやはり達成感を抱いてしまう。 嬉しさもひとしおなのだが、少しだけ予想を裏切られたことがおきた。生き残った3匹がすべてがメスだったのである。 カブトムシといえばその雄々しい角が象徴的だ。確率的にも1匹くらいはオスがいるだろうと高をくくっていたが、総スカンをらってしまった。やはりメスの方が生物としての生命力が強いのだろう。 正直にいうと少しだけ残念がっている。やっぱりあの角をつまみあげ、娘ときゃっきゃと盛り上がりたかった。もつがいで飼って産卵までを娘に観察させたいといっていたので

    カブトムシ羽化 - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう
    suoaei
    suoaei 2021/07/25
  • はしご水 - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    引き続き淡路島旅行。 高層階のオーシャンビューだったこともあり、カーテンをあえて全開にして寝ていたので、日の出の光にあたためられ、自然と目を覚ました。 時刻は6時前。窓から覗く海面がキラキラと輝いていて、目覚めから一瞬で心奪われた。結局そのまま二度寝はせずにぼんやりと海を眺めて過ごした。 いくつかの船が海に真っ直ぐな線を引いていた。おそらく近くで見れば蛇行もしているのだろうが、遠くから見る限りは定規で引いたかのような直線だった。物事は遠くから見れば何事も綺麗なのだろう。 子供たちが穏やかに目覚めるのを待ち、ブュッフェ形式の朝をとった。昨夜の夕ブュッフェも満足感に包まれたが、朝も負けず劣らずであった。 イクラの醤油漬けを山盛りでべた。明太子や生クリームも普段ならできないようなべ方をした。 後に一息つくと、チェックアウト前にホテルのプールに行った。私と娘が入水する。スイミングスクー

    はしご水 - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう
    suoaei
    suoaei 2021/07/24
  • やどかり - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    みなもは しずかに ゆれている。 くるぶしまでを海水にひたしながら、サンダルで波打ち際をゆっくりと歩いた。一歩踏みしめるたび足元では貝殻がそろそろとうごく。この砂浜にはヤドカリが多く生息しているようだ。 水は透きとおるほどに透明で、オレンジがかった夕陽がさざなむ水面で屈折し、水底の砂面には走る稲のような模様が脈打っていた。あたかもクリエイターが躍起になって作りそうな幻想的な映像を、自然界ならばこうもたやすく作り上げてしまう。 淡路島にきていた。 今日から一泊二日の旅行だ。四月に遊びにきて以来、どこに行きたいかと娘に問うたび「あわじしま」という元気な返答がくるようになっていた。 淡路島に泊まりで行くよと伝えたとき、娘は夢みたいといったような、言葉では言い表せない喜びをうっとりとした表情であらわしてくれた。 前回も訪れた海鮮堂で昼べ、改めてその美味しさに舌鼓を打った。県立公園ではこれ

    やどかり - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう
    suoaei
    suoaei 2021/07/23
  • ジュエリーを買いたい - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    にジュエリーを買ってあげたい。 ここのところしばしば沸き上がっている感情である。原因ははっきりとしている。出社が増えたことで通勤という行為が発生し、その中で多くの女性とすれ違う機会が増えたということだ。 すれ違う人を目で追ったり気をとられたりする場面は少ない。もともと人間観察にふける気質ではないし(もし作家をめざすならばなんとも致命的だ)、ファッションへの関心も人並み以下である。 ただそんな私でもふと、すれ違う女性に目を惹かれるという場面がある。シックなビジネスコーデに身を包みながらも、首元や耳にワンポイント添えられた奥ゆかしいジュエリーがキラリと光る瞬間だ。 制約が多いであろうフォーマルな格好の中でも、均整を保ちつつも自分らしいオシャレをさりげなく取り入れたい。そんな慎ましくも健気な女性心がうかがえて、思わず心惹かれてしまうのであった。 私はそのたび、都会的なお出かけの際にが嬉々とし

    ジュエリーを買いたい - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう
    suoaei
    suoaei 2021/07/22
  • ついに、ついに - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    ついに、ついに、始まる! 待ちに待ったオリンピック…ではなく4連休がだ!7月から激務続きだったので、夏休み前の良い中休みとして、この期間がくるのを待ち望んでいた。 連日の残業のおかげで、なんとか今日までに捌きたかった仕事をギリギリで終え、気持ちよく連休に入ることができた。最後に依頼メールを投げて終業したので、休み明けは問い合わせが殺到するだろう。 でもいいのだ。とりあえずは手持ちだったボールを全体に投げて休みに入れた。手ぶらな状態で連休を迎えた、その事実が今は何よりも重要なのである。 それを祝福するかのように、明日以降の天気予報には晴れマークが続いている。明日はゆっくり準備をし、明後日からは車を借りてお出かけ予定だ。子供たちに大きな夏の思い出が作れたらと思っている。 仕事漬けだった今月のライフをこの四日間で取り戻そう。そしてまた、連休明けに夏休みまで走り抜けるだけの英気を養おう。楽しく過ご

    ついに、ついに - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう
    suoaei
    suoaei 2021/07/21
  • 連休前の大一番 - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    へとへとの日々が続いている。 現時点で入社以来、最高記録となる月の残業時間だ。とにかくハードだが感覚は麻痺してきている。 今の私が気にしていることは、いかに気持ちよく4連休に入れるどうかだ。いつぶりとなるかわからない楽しい予定を計画している。 明日もMAXで残業せざるを得ないだろう。だが、そうしてでも目標とするところまで仕事が捌けたなら万々歳だ。明日は是が非でもそれを勝ち取って、気持ちよく連休に入りたい。 こんな帰路にかぎって、青信号がスムーズに連なった。これは明日に向けての吉兆なのか、それとも。

    連休前の大一番 - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう
    suoaei
    suoaei 2021/07/20
  • 幼稚園の夏祭り - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    浴衣姿の娘が友達とはしゃいでいる。 今日は午前休をとって娘が通う幼稚園の夏祭りに来ていた。カンカン照りの下、立っているだけで汗が噴き出してきたが、綺麗に着飾った子供たちだけは誰もが元気だった。 コロナ禍でなければ丸一日の大イベントとなるらしいのだが、こんな状況下のため、園児を分散し各1時間のみの形式でお祭りに参加することとなった。 とはいえ、こんな形であれ娘をお祭りに参加させられて嬉しかった。今年も他のお祭りにはきっと行かせてあげられないだろうから。 ヨーヨー釣り、わなげ、的当て、金魚すくいにコイン落とし。催し物も景品も手作りであったが、子供たちは当に楽しそうであった。 私も一緒に参加できてよかった。仕事は大忙しな状況なのだが、なんとか午前中だけなら都合をつけることができた。多少無理をしてでも、子供のイベントには今後も参加したいと思っている。 仲の良い友達と抱き合ったり、たくさんの園児や

    幼稚園の夏祭り - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう
    suoaei
    suoaei 2021/07/19
  • 息子とのんびり日曜日 - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    まあん、まあん、まあん、まあん。 今のところ息子が話せる唯一の言葉である。私が同じように真似すると彼はニコニコ笑い、しばし会話を楽しむように繰り返し言い合いをするのだった。 その会話がひと段落すると、息子はつたい歩きで子供部屋のほうへと歩いて行った。ソファの端から手を離し、一歩、二歩、三歩。何も掴まらずともそれくらいならひとりで歩けるようにもなった。 自らの意思で少しずつ挑戦をしているようで、どんどんと自力で歩ける距離が長くなってきている。歩みが止まったときでも慌てず足を踏ん張って、オムツをエアバックのようにつかい、お尻をついてうまく受け身をとるのであった。 今日もと娘をお出かけにやり、私と息子でお留守番をした。息子が昼寝にはいると、私はひとり映画をみて過ごした。彼が起きてからは、遅めの昼をとらせ、ゼリーといっしょに薬を飲ませた。熱は37.5℃。平熱近くまでだいぶ下がってきた。 彼とふ

    息子とのんびり日曜日 - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう
    suoaei
    suoaei 2021/07/18
  • 夏のはじまり - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    ソファに寝そべり文庫をひろげる。 足元のせんべい布団には息子が横向きにまるまり、すやすやと寝息を立てている。昨夜の熱もだいぶ下がり、症状にも快復の兆しがみえている。 家にいるのは私たちふたりだ。と娘はショッピングに出掛けた。も休日くらいは羽を伸ばしたかろうと、私が息子のお守りをかってでたのだった。 とはいえ、ママが出ていき私とふたりきりになると、息子はすぐに眠りはじめた。体調の回復には睡眠が一番なので、彼が寝たいときにはできるだけ寝かせてあげたいと思っている。そんなわけで、なるだけ静かに過ごそうとを読み始めたのだが、気持ちよさそうに眠る息子を横目で眺めているうちに、私までもが次第にまどろみに包まれていった。 ソファに枕を置きその上に頭を据えると、まぶたの重みに堪えきれなくなった。結局はたちが帰ってくるまで、息子とふたり昼寝をしてしまっていた。 リビングに飛び込んできた娘の手には、

    夏のはじまり - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう
    suoaei
    suoaei 2021/07/18
  • まあ金曜日だ、からの - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    すべてを許してしまえる瞬間というものがある。 金曜仕事終わりがまさにその時だ。特に充実感に包まれながらの帰路はその極みにあるかもしれない。 から、お風呂前に子ども達ふたりが寝てしまったとの連絡がきても、でもまあ金曜日だ、とその後の寝かしつけで味わうであろう苦労も、悠然とした気持ちで受け入れられるのであった。 ただ、そんな中でも看過できない事柄はある。 私が夕べ終わった頃、息子がもぞもぞとして目を覚ました。ふにゃふにゃと言いながらママにハイハイで駆け寄る。抱っこされると、そのまま壮大に吐いてしまった。 娘の風邪をもらった息子の体調が、ここにきて悪化してきている。その後服を着替えさせ、落ち着いたのちに少し飲み物を飲ませると、ふたたび吐いた。更には、それをもう一度繰り返す。 はいそいでかかりつけの病院に電話した。状況によっては緊急病院も辞さない。引き続き見まもる。

    まあ金曜日だ、からの - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう
    suoaei
    suoaei 2021/07/16
  • 第一印象がひっくり返る - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    人事異動で職場メンバが変わって半月。 いけすかない課長が同じチームにやってきて、高飛車な態度で早々に仕切り出したとここでも書いた。 もともと敵対していた組織から送り込まれた刺客だったということもあり、身内に敵が入り込んだと、やりづらさと憤りを感じていた。 だが、しかし。近くで仕事をしてみて彼への印象は徐々に大きく変わっていった。確かに態度は傲慢そうなのだが、言っていることは常に的確で、明瞭で説得力がある。その言動の全てが根拠に基づいており、先を見据えた戦略立てには舌を巻いてしまう。 さらに言葉こそは荒いが(よく「お前」呼びばわりをされる)、部下育成の意識は高いようで、部下たちの話にも真摯に耳を傾けてくれる。 結論。めちゃくちゃ優秀な管理者だった。 直接の上長ではないのだが、その頼り甲斐のある風格と確かな実力に、私も相談したり、話しかけたりと、すっかり彼が好きになってしまった。 私の直属の上

    第一印象がひっくり返る - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう
    suoaei
    suoaei 2021/07/15
  • 本当の翻訳の話をしよう(増補版) - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    村上春樹と柴田元幸の対談模様を主として収録した『当の翻訳の話をしよう 増補版』を読了した。 雑誌MONKEYや村上柴田翻訳堂シリーズの巻末に収録された対談もあったので、半分くらいは既読のものであった。ただ、改めて読み返してみても、このふたりの翻訳話はとても面白い。 お互いにリスペクトをし合い、文学に対する共通した審美眼を持ち合わせているので、会話のテンポがよい。さらに村上は小説家ならではの視点を、柴田は文学者としての造詣を端々で折り込み、読みやすいながらも深い話を聞くことができるのであった。 また私はふたりが翻訳した作品を多く読んでいるので、彼らの口から登場する作家たちや作品をよく知っており、より関心をもって話を聞けるのであった。未読の作品に対しても興味を抱き、今後読んでみたいがいくつも見つかった。 とはいえ最近、このような小説以外のばかりを読んでいたので、さすがに小説が読みたい欲が

    本当の翻訳の話をしよう(増補版) - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう
    suoaei
    suoaei 2021/07/14
  • 職場に集まって仕事をする - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    ベルトコンベアの前に立たされている気分だ。 そこに乗って運ばれてくる仕事を日々一生懸命に捌いているのだけれど、いつも捌いた以上の量の仕事が次から次に運ばれてきてしまう。 今日も「日中にここまでやろう」と朝思っていたところまではなんとかやり切ったものの、途中にあった打合せの中で超特大な仕事がまたもや降ってきた。しかもそれは一過性の仕事ではなく、今後もずっと付き纏う性質の仕事であった。 もうお腹いっぱいだ。あまりにやるべき事が多すぎて、もはや恐怖心も麻痺している。どれもこれもが破綻してもおかしくない。もはや無理ゲーと、誰しもが頭ではわかっているような状況なのだ。半分開き直っているので、精神的には喰らってはいない。 とはいえ、いつまでも仕事が片付かなく、またその目処さえ立っていない状況というのはスッキリとはしないものだ。ふとした瞬間に頭に不安がよぎり、それが慢性的なストレスとなる。 これが在宅

    職場に集まって仕事をする - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう
    suoaei
    suoaei 2021/07/13
  • 正念場ふたたび - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう

    会社での仕事中にから連絡がきた。 風邪をひいていた娘の熱が38℃台後半まで上がったとのことだった。すぐに電話をし詳しく聞く。昼寝の後から急にそうなったようで、さすがにしんどそうだということだった。 状況によっては夜間病院に行くこともあり得る、ということだったので急遽課長に分断勤務を申し出て、会社を後にした。こういうときフレックス勤務ができるのはありがたい。 娘がべたいというものを買って家に帰る。いつもだったら少しの熱くらいなら元気な娘が、ソファでぐったりしていた。おでこには冷えピタ、口にはマスクをし、弱々しく毛布にくるまれている。 弱っている娘の姿に憐憫の念を覚えた。ただしばらくすると解熱剤が効いてきたのか、少しずつ会話もできるようになってきた。 ご飯をべられるだけべ、汗を流すためシャワーを浴びさせた。ポカリを飲ませ、薬を飲んであとは寝るだけ。基的なことばかりだが、良くなるために

    正念場ふたたび - いつかこの日々を思い出してきっと泣いてしまう
    suoaei
    suoaei 2021/07/13