『やさしい猫』中島京子 ★ 中央公論新社 2021.11.6読了 今年の5月まで読売新聞の夕刊に連載されていた作品が単行本化された。ジャケットだけみると、猫が出てくるほのぼのとしたお話なんだろうと予想してしまうが、これがどっこい、とても重いテーマなのだ。でも、心に残る良い小説だった。涙してしまうような場面が何度もあった。 タイトルの『やさしい猫』とは、スリランカ人のクマさん(本当はクマラさん)がまだ小さかったマヤに話し聞かせてくれた母国に伝わる童話のようなもの。優しくておもしろいクマさんは色んなことを教えてくれる。 語り手のマヤは、母親のミユキさん(この作中ではさんづけ)と2人暮らし。ミユキさんは、震災ボランティアで知り合ったクマさんと1年後に再会しお互いに大切な存在となっていく。クマさんと3人でささやかではあるが楽しく暮らし、紆余曲折ありながらもようやく結婚することに。そんな矢先、クマさ
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