連載目次 日本で本格的な定額制の音楽ストリーミングサービスが始まって1年が経過した。AWA、LINE MUSIC、Apple Musicの3大サービスに続いて、Google Play MusicやAmazon Prime Musicも参戦し、音楽ストリーミング業界は群雄割拠の様相を呈している。また2016年7月には、世界最大手のSpotifyが日本に上陸する予定だ。 音楽を愛する者からすれば、選択肢が多くなることに負の感情は抱かない。また、音楽を供給する側からしても、販売するチャンネルが増えるのは悪いことではないだろう。パッケージメディアと異なり、デジタル音楽は流通・在庫管理などに掛かるコストがほとんど発生せず、配信事業者のプラットフォーム上に置いておけば収益機会が拡大するからだ。 しかし一方で、このような過当競争の状態で大丈夫なのだろうかと心配にもなる。各社が販売する商材(音楽)は基本的