人間社会が持続可能なものになり、それを達成するまでに悲惨なことがなるべく少なくてすみ、しかも近代文明によって得た幸福をなるべく失わないようにするには、どういう政策を考えたらよいだろうか。 人間活動が地球環境(生態系と物理化学的地球表層システムの両方を含む)に与えるインパクトが大きく、それが人間社会に対する制約を強めてしまっていることは確かだ。人間活動は地球環境へのインパクトを減らす方向にあらためていかなければならない。厳密ではないがひとつの指標で代表させるとすれば、Wackernagel and Reesのエコロジカル・フットプリントを減らしていくことと言ってよいと思う。 近代文明は、更新可能でない資源(化石燃料や鉱物資源)や更新困難な資源(土壌など)を大量に使うことによって成り立ってきた。人類社会を持続可能にするためには、近代文明による幸福の一部はあきらめる必要があるだろう。しかし人口が