学校給食があるのに、一部の児童生徒は家から持参した弁当を食べる。福島第1原発の事故後、東京都内の学校ではこうした光景が増えている。放射能への不安が寄せられるなか、食材の安全性や給食の安全性に疑問を抱いた保護者が、わが子に弁当を持たせ始めたためだという。 わが子を守る。身の安全を保障してあげたい。そうした親心までは否定できない。だが、こうした親の要望に科学的根拠があるとは言い難い。誰もがやり出せば、学校給食という制度自体が成り立たなくなる。 学校給食は児童生徒が同じ食事を皆で配膳して、味わうことに意味がある。教育活動の一環でもある。保護者の不安は、分からないでもないが、最近の弁当持参は、やはり過剰反応だと言わざるを得ない。 東京都の文京区や目黒区、江東区、稲城市などでは、保護者からの要望に応じて弁当持参を認めている。手続きをすれば給食費を払わなくて済む自治体もある。保護者との話し合いで納得が