去年の夏、薩摩半島を旅行していて開(かいもん)岳の美しさに目を奪われた。900メートル余りと決して高い山ではない。だが東シナ海に突き出すようにそびえる「薩摩富士」の存在感は格別である。昔から鹿児島湾に入る船が目印にしていたそうだ。 ▼実はこの山を目印にしたのは船人だけではなかった。先の大戦末期、20キロばかり北北西にある知覧の基地を飛び立った特攻隊の戦闘機はまず、開聞岳を目指した。そこからまっすぐ南下すれば標的の米軍艦隊がいる沖縄の海だった。美しい山に別れを告げ攻撃に向かったという。 ▼だから知覧の基地跡の特攻平和会館を見学した後、この山を仰ぐと涙でかすんで見える。だがそれは、特攻隊の若者が望んだことではない気がする。あくまで祖国の勝利を信じ、守り抜くために命を落とした。しかも日本に残したものは小さくなかったからだ。 ▼戦争に負けたとはいえ、日本人の文字通り死にものぐるいの戦いは、米国など
もくもくとした入道雲、そして蝉(せみ)しぐれ。すっかり夏本番ですね。夕方にはヒグラシが境内を包み込むようにして鳴いています。しかし夜になると草むらや縁の下からリーリーと虫の声が。今月(8月)7日に「立秋」を迎えました。虫たちはもう「秋の演奏会」の練習でも始めているのでしょうか。 まもなく68回目の終戦記念日がやって参ります。この時期になりますと必ず「首相は靖国神社に公式参拝するかしないか」とマスコミが騒がしくなりうんざりします。 私が東京にいた頃、初詣は必ず靖国神社。今でも機会があれば靖国神社を参拝します。神社に尼僧?と、はたから見れば不思議な光景に見えるかもしれませんが、これからそのことが不思議でもなんでもない、というお話をいたしましょう。 宗教上の「神」とは違います 靖国神社については多くの方がご存じかと思いますが、もとは東京招魂社といって戊辰戦争の戦死者を祀(まつ)るため明治2(18
江戸川乱歩「黄金仮面」の生原稿発見 95年死去の元編集者が所持 少年探偵団シリーズなどで知られる作家江戸川乱歩(1894~1965年)の戦前の代表作の一つ「黄金仮面」の生原稿453枚が、12日までに発見された。1930年から約1年間、講談社の大衆娯楽誌「キング」で連載された作品で、名探偵明智小五郎と怪盗の闘いを描く。戦前の乱歩作品の完全原稿が見つかるのは極めて珍しい。 講談社によると、原稿は展示会などに貸し出されていたが、86年以降に所在が分からなくなった。95年に死去した同社元編集者の家族が、会社から届いた遺品の中から発見。元編集者が所持していた経緯は不明という。 原稿で乱歩は、1回分の連載を2回に分けて書いたり、小見出しを頻繁に書き直したりしているほか、切り貼りで文章を直した箇所もあった。後年の筆圧の強い文字とは違い、流すように軽く書かれた文字からは、複数の連載を抱える人気作家となった
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