9月上旬にあったオリックスの博多遠征の際、小倉で途中下車した。職場放棄したわけではない。どうしても、ある『学生』に会いたくなったからだ。久しぶりの再会に少しドキドキしたが、私を見つけ「お久しぶりです」と寄ってきた顔は、あのときと同じ柔和なものだった。 【写真】現役時代の馬原さん 馬原孝浩さん。「さん」をつけるとむず痒くなるが、日本歴代7位の182セーブを誇る、あの馬原だ。電話で取材を申し込むと快く了承してくれた。マウンドを降りると、いつもこんな優しい表情だったのが懐かしい。 オリックスを退団し、昨年12月に現役を引退。野球解説者や講演会の依頼も多々あったが、全て断り、4月から「九州医療スポーツ専門学校」に入学した。柔道整復師と鍼灸師の国家資格取得を目指して猛勉強中。地元の福岡ではテレビや新聞などで取り上げられているようだが、大阪まではその情報は伝わってこない。だから会って、直接聞きたく