あのときと同じ涙ではなかった。 試合後の控え室。山中慎介はうつむくことなく、顔を上げた。 「体重関係なく相手より弱かったというだけです。2ラウンドという早い結果で終わってしまいましたけど、現役を続行してこの試合まで1日1日、目的をもって練習して考えることができました。それだけで本当に現役を続行して良かったなと思っています」 3月1日、東京・両国国技館で行なわれたWBC世界バンタム級タイトルマッチ。前日計量でリミットをフェザー級相当の2・3キロも超えたルイス・ネリとのリベンジマッチに臨んだ山中は計4度のダウンを喫して砕け散った。 約束されたウエートまで絞り切ったボクサーと絞り切っていないボクサーでは体力、パンチ力、スピードに差が出てしまう。体を絞り切っていないネリが有利になることを承知で彼は最後の戦いに挑んだ。「(結果には)納得しています」と勇敢な敗者は一つのグチもこぼさなかった。現役引退を
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