“白装束集団”騒動からちょうど20年。渦巻き模様のステッカーがベタベタと貼られた白いワゴン車の車列などがテレビや新聞・雑誌で連日報じられ、さまざまな凶悪事件を引き起こしたオウム真理教を想起させ視聴者・読者を不気味がらせた。あの騒動は何だったのか。この1月に出版された『白装束集団を率いた女──千乃裕子の生涯──』(論創社)は、著者の金田直久氏が丹念に資料を読み込み、関係者に取材し、白装束集団を率いた千乃裕子氏(2006年に逝去)と集団の実態に迫った渾身のノンフィクションだ。金田氏に話を聞いた。【前後編の前編】 【写真18枚】廃校敷地内には、渦巻き模様のステッカーがベタベタと貼られた白いワゴン車の車列が…… * * * “白装束集団”がメディアに初登場したのは、2003年4月発売の週刊文春の記事。その前年、多摩川に出没したアゴヒゲアザラシのタマちゃんを捕獲しようとした「タマちゃんのことを想う会