27歳で戦力外通告 記事は7月に掲載され、実名を出さなかったこともあってそれほど大きな反響を呼ぶこともなく、清原和博や松井秀喜といったスター選手の活躍を伝える報道の渦に吞み込まれていった。 そして小野はこの年シーズンオフに入ってすぐ、ひっそりと近鉄にトレードされた。 近鉄のユニフォームを着てガッツポーズをとる小野の写真を見て、「これで良かったのかな」と複雑な思いが去来したことを覚えている。 小野は近鉄で2年にわたって奮闘したが、2003年オフに戦力外通告を受けた。まだ27歳だった。その後阪神の入団テストを受けたものの契約を勝ちとれず、アメリカ・大リーグツインズとマイナー契約して現役続行の道を探ったが、メジャー昇格できずに帰国した。 それから20年が経って、小野は「窃盗の常習犯」として逮捕され、今後、司法の場で裁きを受けることになる。 ひとつ確かなのは、この20年間、多くの人が小野に心を寄せ