人口10万人あたりの自殺死亡率が全国で最も低い奈良県は25日、県民の適度な飲酒や世帯の貯蓄額などが、自殺が少ない要因の一つとなっているなどとする報告書を発表した。県は「自殺予防に役立てたい」としている。 県は昨年の自殺死亡率が全国で最も低く、平成14年以降の10年間でも最下位を6回記録。こうした自殺死亡率の低さの背景を検証することで自殺予防に生かそうと、大学教授らでつくる県自殺対策連絡協議会を発足させ、統計の分析や県民3千人への意識調査などを実施した。 その結果、12、17、22年の統計で都道府県別の酒類販売量が多い新潟、秋田、青森などで自殺死亡率が高い状況がうかがえた。一方、販売量が少ない奈良、三重などは自殺死亡率が低かった。 奈良県民への意識調査では、普段飲酒すると回答した45.5%のうち、58.3%が「日本酒一合未満」と回答。適度な飲酒が背景にあると推測した。 また、世帯平均貯蓄額が