楽器を演奏する人の優劣は分かりやすいのですが、これが「指揮者」となるととたんに難しくなるもの。上手い、下手はおろか「前で棒ふってる人、必要なの?」というそもそも論のレベルの話もよく聞きます。しかし、今回の研究によって、指揮者の「動き」が視覚的に影響を与えること、そして指揮者の優劣が定量的に計測できる可能性が明らかになりました。 研究をおこなったのはメリーランド大学のヤニス・アロイモノス教授のグループ。同グループは「言葉や身振りのもつ意味は、文法ではなく本能的な脳の機能とつながっているのではないか」という仮説の証明をすすめており、今回の実験はそれに関する非言語コミュニケーションの研究をするためのもの。 実験では8人の弦楽器奏者の弓の先と、指揮者がもつ指揮棒の先にそれぞれ赤外線LEDを取り付け、演奏中のそれぞれの動きを赤外線カメラで撮影しました。そしてそれぞれのメンバーの動きのパターンの相関を